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私家版・日豪の比較文化人類学 〜群れから抜け出した羊が見たもの〜

学校6日制もいいが・・・ 

2013年01月22日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

 ゆとり教育の失敗に懲りたのか、今学校6日制の復活が
喧しく論議されているようですね。
より良い教育を目指して改革して行くことは当然必要ですが、
子供たちの教育は国家の根幹にかかわる極めて大切な事柄ですから
その基本が時流や政権の移り変わりによってコロコロ変わるのは本当は困ります。
 
 ゆとり教育の失敗は若い人たちの学力の低下ばかりでなく、
向上心、社会性と公徳心の荒廃を生み、
ひいては日本経済低迷、国際競争力の凋落にもつながる結果となったと
指摘しても大きくは間違っていないでしょう。
 
急に「ゆとり、ゆとりなんだ!」と言われても、
 「ゆとり」とはどういうことなのかほとんど経験のない教師や保護者ですから
大方が「あまり勉強せず、何事も目を吊り上げてがんばらないこと」が
「ゆとり」だと勘違いしたとしても仕方ありません。
そんな程度の教育によって、怠けもので無気力な人間を生み出したのなら
本人も社会も哀れですね。
 
 こちらオーストラリアの教育も「超ゆとり」ですから、
日本と同様の弊害が指摘されています。
何しろ教科書がなく、宿題もなく、休暇も長いのですから、学力は低迷し
社会人になっても事務処理や問題解決の能力を信頼できない人々が
多く生れてしまいます。
 
 しかし、授業はとても工夫され、創造的で、生徒一人一人の個性や
長所を生かす方法で進められます。
このブログ本文の第5章第3項「自由で創造的な教育」から一部分を
引用してご紹介します。
 
――それでは、どういう授業が展開されるのかと言うと、なにかテーマを決めてそれを多角的・総合的に勉強して行くのです。例えば「クジラ」をテーマにしますと、同じ海の生物でも魚類とは異なる哺乳類であることを勉強し(理科・生物)、子育てをしたり棲息する海域の地図を作り(社会・地理・図工)、生息数の変化や泳ぐスピードなどを数量的に調べ(算数)、捕鯨の歴史に触れ(社会・歴史)、クジラや海をテーマに詩を詠んだり(英語・国語)、ホエール・ウォッチングの案内人に来てもらって様々なお話を聞く……といった具合に進めて行くのです。1つのテーマで多くの教科を横断的に勉強し、知識が断片的なものにならないように配慮しています。もちろん、授業は子供たちの興味や関心を最大限引き出しながら進められて行くのです。――
 
どうでしょうか。日本のように学科別の教科書を使い、
学習指導要領に縛られていては、このような授業は無理でしょう。
教師に創造力と指導力と根気が不可欠であることはもちろんでしょう。
 
 日本で学校6日制が復活すれば、
子供たちはより多くのことを学ぶことになるでしょう。
それが詰め込み教育に陥り、私たちの青春を奪い取った成績至上主義や
受験戦争につながるのなら、それだけは肝に銘じて避けなければなりません。
 
 私たち日本人はこれまで、落ちこぼれをなくし、際立って優秀な生徒の
芽を摘み、皆がそろって一定のレベルに達していれば良い教育と思ってきました。
その結果、国民を画一的なスタンダードの型にはめ込むことになっても
それは公平、公正だと信じてきたのです。
 
 落ちこぼれの生徒を救い、
その子が持っている良い面を引き出してあげることはもちろんですが、
優秀な子の優れた資質をさらに伸ばす手助け、環境整備もとても重要です。
そして、人々が持っている資質や能力、努力の結果が各々の社会生活の
具体的な差となっても、それは公正な結果であると認め合い、納得することが
大切だと私は思うのです。
 
 学校6日制を論ずるのは結構なことですが、
どうか、方法や形式を語る前に、理想の人間像と国家観を描き求め、
それに基づいて教育の具体的なあり方を追求して欲しいと思います。

>>元の記事・続きはこちら(外部のサイトに移動します)





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