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パトラッシュが駆ける!
殺し文句
2013年02月23日
テーマ:テーマ無し
「うちのおじいちゃんは、お医者さんから、止められているんです。
お酒を飲んではいけないって。それなのに、明日の会には、
出るって聞かないんです。止めてもらえないでしょうか」
「K会の新年会ですね。それは父がやっております。
私は息子ですので、関与してないんですよ。
え、父ですか?あいにくと出かけておりましてね」
私の父は、老人会の役員をやっていた。
若い頃は、金儲け一辺倒だったが、リタイアするや、
地域の老人の集まりに顔を出し、積極的に活動するようになった。
会計をやり、やがて副会長になった。
ゲートボール部の、部長を兼ねていたこともある。
その時は、新年会の幹事をやっていたと思われる。
会員の家族から、電話がかかって来た。
私を父と思い込んでだろう、いきなり話を始めた。
実の娘か、息子の嫁か、女の声だ。
一つ屋根の下に暮らしているのだろう、年寄りの身を案じている。
美しい光景と言うべきだろう。
帰宅した父に、一部始終を伝えた。
「心配ないんだ。年寄の集まりで、何も大酒を、飲もうってんじゃあるまいし」
不満そうであった。
それもそうだ。
宴席で酒を飲む飲まないは、当人の自由だ。
ウーロン茶という手だって、あるではないか。
酒を理由にするのは、少々おかしい。
翌朝、父はそのM家に電話を入れた。
「K会の者ですがね」
父の言葉が少ないところを見ると、電話に出たのは、例の女性で、
昨日の調子で、まくし立てられているのでは、ないだろうか。
ふんふんと聞いていた父が、口を開いた。
「Mさんとは、長いお付き合いでした。
今生でお会いするのは、これが最後になると思われます」
これだけ言い、電話を切った。
Mさんは近々、ある地方都市に引っ越すことが決まっている。
どうですか、最後に顔だけでも、出させてやってくれませんかと、父は言いたいのだろう。
それで、「今生の別れ」を持ち出したわけだ。
単なる新年会でなく、自分の送別会を兼ねているとなれば、
それは当人だって、出たいであろう。
好きにさせてやればいいのに・・・
私も思った。
仮にである。
出席したMさんの、命が縮まったとする。
それも人生ではないか。
父の殺し文句にも拘らず、Mさんは結局、会に来なかった。
多くの仲間との、終の別れは、成らなかったことになる。
電話の女性は、娘ではあるまい。
きっと息子の嫁であろうと、私は推察した。
私にも娘がいる。
私がMさんの立場だったら、きっと娘は、憂慮を示しながらも、
送り出してくれるだろう。
いや、その前に、私は何が何でも、例え途中で倒れようとも、
友との別れに臨まないわけには行かない。
父の葬儀の際、K会からは、たくさんの人が、弔問に訪れてくれた。
家ではワンマンで通り、家族と衝突ばかりしていたから、
父のその人望というものに、驚かされた。
きっとこれを、外面がいいと言うのであろう。
私は、会葬御礼を述べるに際し、わざわざK会の名を上げ、
皆さんのおかげで、父の晩年は、大変豊かなものになりましたと、
心からの感謝を述べた。
何か気の利いたことを言いたかったのだが、思い浮かばなかった。
お前なんか、まだまだだ・・・
父が笑っているような気がした。
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意思の疎通は難しい・・・
こちらの思いと
先方の思い
すれ違いは平行線
どちらにも言い分があり
難しい
正に線路ですね
どこまで行っても交わらない
人の感情は 厄介といえば簡単だけど
難しいですね う〜ん
2013/03/02 16:28:02
わのり
パトラッシュさん
お早うございます。長い間のご無沙汰でした。
将棋 のお教室などご活躍素晴らしいですね。
シニアナビはめったに開かないし、パトラッシュさん
の素晴らしい文章に、気後れがして?顔出しが
出来ません。これ本当の事。
昨年8月にipadを買ってから、はまってしまい何処に行くにも持ち歩き、自分の傍に置いて見たい時開いて
楽しんでいます。
では近況お知らせまで。
2013/02/23 09:33:43