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たかが一人、されど一人

命の洗濯 

2013年08月04日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

誰が言いだしたか知らないが「命の洗濯」とは言い得て妙、うまいことを言ったものである。1週間ほどパソコンは勿論新聞テレビとも一切接触を絶って南アルプスの山々を歩いてきた。南アルプスは甲府や長野から入山できる北の方面は何座か登ったことがあるが、静岡からのルートは流石に遠く、今まで一度も近寄ったことが無かった。昨年秋に北アルプスの黒部源流方面を4,5日かけて歩いた時から、縦走の醍醐味を覚え、以来できれば今年は南アルプスの南方面に挑戦したいと思っていた。家でも、梅雨明けを待って実行することを表明して婆さんの協力を求めたり、個人的にもそれなりの下調べをしたものである。毎日のように登山基地になっている椹島ロッジに電話をしたり、気象協会の山岳天気をチェックしていたが、今年はどうも梅雨明けがすっきりせず天気の安定がなかなか見込めそうになかった。婆さんが「日帰りではあるまいに、3日も4日も天気続きは望むのが無理ではないの。月末から月初にかけてはお天気になりそうよ。」と激励をくれたので、初日の雨は覚悟の上で28日(日)に出発して2日(金)に帰宅する前提で計画をコンクリートした。目標は椹島(静岡市)から入山して、荒川岳(通称悪沢岳)・赤石岳・聖岳を周遊して椹島に戻る行程である。この3座は地図上に100名山としてマークされている3千メートルを超える山である。昨年黒部源流で知り合ったベテランの方から、手ごわい山だから十分気を付けるようにアドバイスも頂いていた。自分でも調べていくうちに、成程手ごわそうなことが分かり、最初はガイドを頼もうかと思いもした。春先にトレーニングのつもりで登った北アルプス蝶ヶ岳で、西東京のお医者さんがガイド付きの登山をしているのを見て羨ましかったこともある。その時にガイドの方から名刺を貰っていたので、余程申し込もうかと思ったが、小生如き者にはやはり費用が高すぎる。結局諦めて、出来るだけ余裕のある日程を組んで、尚且つ婆さんには、多分スケジュール通りには運ばないだろうから、帰宅は一日二日延びること大いにあるべし、で了解を取っておいた。稼ぎも無い代わりに日にちだけはたっぷりあるので、それは当然でしょうであっさりオーケー。先週日曜日に勇んで出発、兎に角登山口の小屋に辿り着くだけで1日掛かる。月曜日から歩き始めたが、案の定初日は終日雨。景色も何もあったものでない。「想定の範囲」と自分に言い聞かせて最初の山小屋「千枚小屋」に到着。初日からの感想は「手ごわそうだなぁ」に尽きた。翌日は若干天気が持ち直し縦走を経て「荒川小屋」。その翌日は快晴となって「百軒洞小屋」。気を良くしたがその翌日は雨で、この小屋に連泊する羽目になってしまった。更にその翌日は又天気が持ち直し「聖平小屋」まで縦走。予定を1日オーバーしたが昨日ここから下山、兎に角交通手段が至って不便、帰宅が夜9時前くらい。婆さんも「よくご無事で」と喜んでくれた。結局丸1週間風呂も入らず、ホームレス同様の臭いを発しながら山をさまよっていたことになるが、高い山から眺めるパノラマは本当に筆舌に尽くしがたい。金に換算できない満足感と身体の節々に残る痛みだけが土産の1週間だった。もう一つ大きなおまけ、ガイドを有料で頼むことは出来なかったが、それ以上のエスコートをしてくれる友人を得た。最後の縦走「百軒洞小屋」から「聖平小屋」全行程中最長で10キロ以上になる。前夜から不安を抱いたところ、正に天佑神助か、その晩宿泊していた7人の客の中で最も屈強な人が、こちらの頼みを引き受けて同行してもらうことが出来た。結局10時間強の行程になったのだが、最後まで見捨てずに付き合ってもらうことが出来た。その前日と昨日の下山のスピードからすれば、彼は私の3分の2約7時間弱あれば踏破できるのは明らか。にも拘らず老人をいたわってくれたことは感謝に余りある。因みに彼は元自衛官レンジャー部隊に所属していたエリート兵士である。年齢は60歳、還暦を機に昨年から百名山潰しを始め、昨年は25座、今年は30座を潰す予定だそうだ。小生にとっては得るところの多い山旅であった。

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