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私家版・日豪の比較文化人類学 〜群れから抜け出した羊が見たもの〜

洗濯物の干し方 

2014年09月23日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

 この夏は本当に激しい雨に各地で被害が続出しました。
狂った天候はもちろんですが、エボラ出血熱やデング熱などの蔓延も
自然の何か恐ろしい事態の兆候ではないかと心配です。
地球の摂理が狂い始めているのでしょうか。
 
 ・・・と、重い書き出しになってしまいましたが、
今回のテーマは洗濯物の干し方について感じたことです。
雨ばかりの天気が続き、久しぶりに太陽が顔を出すと、
多くのアパートのベランダは一斉に洗濯物と布団がぎっしりと並びます。
ちょっと昔なら満艦飾という表現でたとえたものです。
 
 洗濯物は「お日様」の恵みでよく乾き、紫外線によって清潔になります。
何より、干した布団はふかふかで、「日向臭い」匂いがして
冬などとても気持ちが良いものですね。
日本の原風景のひとつと言ってもよいでしょう。
 
 ところが、近年アパート(マンション)のベランダに洗濯物を干す場合、
景観の見地から、外から見えない位置に干すこと。布団などは
ベランダの手摺に掛けて干してはいけないなどのルール順守を
求められる場合が多くなってきました。
 



 



 これは特に自治体が条例などで規定しているのではなく、
個々のアパートが独自の考え方、判断で居住者に求めているもので、
私たちのアパートは外から見える位置に洗濯物や布団を干すことは
禁じられています。しかし、道1本隔てた隣のアパートは制限なしのようで
今日も「満艦飾」です。
 
 実は、アパートに限らず戸建ての家でも、洗濯物や布団を
外から見える位置に干す習慣は世界でも多くはありません。
外から見える位置どころか、屋外では干さない国も多いのです。
干したくても我慢して干さないのではなく、屋外に干すことに
嫌悪感さえ示す人たちも多いと言います。
もちろん、その理由は街の美しさ、景観を大切にし、守るためです。
 
 私たちが長年住んでいたオーストラリアでは屋外で干しますが、
ほとんどの家には広い敷地のバックヤード(裏庭)に
四角で水平に回転する物干し台があって、そこに干します。
それは、普通表の道路からは見えません。
 
 娘が住んでいるニューヨークではアパートの地下に洗濯室があって、
プリペイド・カードを使って洗濯機と乾燥機を利用し、
アイロンは部屋に帰ってからかけます。
部屋にはベランダがありますが、物干し竿などはありません。
10階前後のアパートが多く立ち並ぶ地域ですが、
決して洗濯物がひらめく光景を目にすることはないのです。
 
 ドイツでは通りに面したベランダで洗濯物を干すことは
法律か条例で禁じられていて、違反すると警察とか
アパートの管理人から注意を受けるようです。
もっとも、違反する人はいませんが。
 
 世界中の洗濯物事情を網羅するだけの用意がありませんが、
もう一カ国、お隣の韓国。
農村部は分かりませんが都市では戸建ての家より
高層のアパートが多く、そのアパートでも外から洗濯物は見えません。
ベランダにあたる部分が外側にガラス窓が付いたサンルームのように
なっていて、その中に洗濯物を干すのです。
冬になると外気の温度が低過ぎるからです。
 
私たちは洗濯物が目立つ所に高々と干されていても、
それは日常の見慣れた風景で、取り立てて嫌な気分にはなりませんが、
私は見苦しいと思うし、住む街の美観を損なっていると思います。
下着などは多少見えない位置に干す人が多いようですが、
それが目に留まる状態はやはり気恥ずかしいものです。
 
広いバックヤードもないし、ベランダも狭い。湿度も高いとなれば
「満艦飾」も止むを得ないかも知れません。
でも、これは文化程度、生活志向、審美眼の問題。
もう日本も洗濯物・ふとん干しを洗練された方法に
変えて行く時期に来ているのではないでしょうか。
ベランダでもせめて低い位置に干すなど簡単なことから始めれば
ずいぶん変わるだろうと思います。

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