優しくして。。。

砂に消えたホテル 

2014年12月11日 ナビトモブログ記事
テーマ:good byeメモリーズ

今まで何故か思い出さなかった。

近くを訪れても記憶の外にあった。

でも確かに私はその場所に行った事があったのです。

まだ幼い学生で家族以外と旅行をする事も少なかった頃だった。

高校を無事卒業し、大学にも一応入れる事になり一安心。

すあま『卒業旅行じゃないけど、どこか行きたいね〜』

友人『うん!行こうよ〜思い出に』

大学は全く別の為多分そんなには会えなくなるだろう。

今までは駅で待ち合わせ、学校に向かう道を女子トークしながらいたのに。。。

何か切なく悲しい。。。

すあま『どこに行きたい?私は何処でも良いヨン』

友人『近いんだけど言ってみたいと言うか、泊まってみたい所があるんだ。』

すあま『泊まりたい所?いいよ〜そこにしよう!』

小旅行というには近すぎる距離の『逗子』でした。

『逗子』なら普通は日帰りのお出かけコースだと最初は思っていた。

友人『前から1度泊まりたかったホテルがあるんだけど。。。いいかなぁ〜』

すあま『いいよん〜まかせた!』

自分では何の期待もせず、彼女が行きたいと言っている場所。

逗子『なぎさホテル』

国道なのか交通量が意外と多い道路の直ぐ側にその目的地はあり、道路の反対側は逗子の海岸が永遠に続いていた。。。

『なぎさホテル』はその当時でも相当古い洋館で歴史を感じ、こんな子供が泊まっていいものなんでしょうか。

そんな事を思ってフロントに足を踏み入れたのを覚えている。

友人が言うには天皇陛下がお泊まりになったとか。。。

部屋の創りは何故か船室を感じさせていた。

バスルームに入るドアは真鍮製のまわすレトロなノブ。

独りで入るには寂しすぎて二人で入りましたっけ。。。


逗子『なぎさホテル』

大正15年に建築され、昭和が去るとともに解体された。

戦前、戦後をこの地で歴史を重ねて来た老ホテル。

跡地は痕跡も無くファミレスになってしまった様子。

一緒に泊まった友人とも既に交流は無く、記憶の底に葬られ薄らと消えかかっている。


今まで何故か思い出さなかった。

ただ思い出す余裕が無かったのかも知れない。

姿形を残していなくても忘れない。

ホテルも友人との思い出も。。。


砂に消えた逗子『なぎさホテル』

good-byeメモリーズ



from すあま



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