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パトラッシュが駆ける!

旅立つ季節 

2015年03月13日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

娘が短大を出て以降、我が家には、とんと縁のなかった卒業というものが、
にわかに、格別の意味を持つようになった。
私が、T小学校のクラブ活動、囲碁将棋部に関わりを持ってからだ。
今年もまた、何人かの六年生を、送り出さねばならない。

本来は、めでたいことだ。
そして、彼らとの縁が、ここで切れるわけでもない。
そうとは承知しつつも、一つの節目だ。
一抹の感傷を、禁じ得ないでいる。
たかが、クラブ活動の指導者でもこれだ。
本職の先生ともなれば、さぞ、その思いは深いであろう。

卒業まで、活動日は、あと一回を残すのみとなった。
彼らの記憶に残るような、楽しい思い出を作らせ、送り出したい。
それで「リレー将棋」を考えている。
卒業生と在校生で、それぞれチームを組み、対戦させる。
一人一手を指し、次の者と交代し、勝負が決着するまで、
次々に指し続ける。

チーム内で、作戦の意思統一が出来るかどうか・・・
これがリレー将棋のカギだ。
きっと、一手ごとに、大盤を取り囲んだ生徒達から、
歓声と歎声が湧き上がるだろう。

最後に勝つのは・・・
年の功にものを言わせ、卒業生チームだろう。
それでいい。
上級生に、花を持たせ、部から追い出す。
格好の卒業記念ではないか。

 * * *

そんなことを思案しつつ、この時期の私は、少々忙しい。
スケジュールが、びっしりと詰まっている。
一泊二日で、越後への温泉旅行に誘われている。
それから帰った翌日が、T小の活動日となっている。

多少の懸念がないでもない。
旅行先は、酒どころと聞いている。
訪れた先で、試飲をやるとも聞いている。
共に行く仲間と言うのが、いずれ劣らぬ酒豪だ。
温泉旅行とは名ばかり、実態は「心行くまで地酒を嗜む旅」
に他ならない。

「心行くまで」とは、聞こえがいい。
それは当然に、適量を過ぎることだ。
その過ぎたる酔いを、翌日に持ち越さないとも限らない。
先生が、酒臭い息で、教室入りするのは、いかがなものか。
そこを心配している。

そしてまた、私には軽はずみなところがある。
飲んだ勢いで、すぐに突拍子もないことを言い出す、
そういうクセがある。
「せっかく越後まで来たんだ。ついでに日本海まで、
突っ走ろうじゃないか」
仲間というのが、これまた、調子に乗りやすい人々だ。

「冬の日本海の魚は、どれも美味いんだよな」
「鰤でしょ、蟹でしょ、イカでしょ、白子でしょ・・・」
指折り数えるのが、すぐに出て来る。
一旦火がつくと、たちまち燃え盛る。
そう言うところが、実にもう、私に似ている。
類が友を呼んだと、こう評する向きもある。

「学校の方は、どうするんで?」
「てやんでえ、あんなもん、ちょいと顔を出せばいいんだ」
既にして、語気が荒くなり、思慮が薄くなっている。

「もう一泊するってえと、帰れなくなりますぜ」
「ふん、てめえら知らねえな・・・」
既にして、私の言葉から、品性というものが、失われている。
いや、そんなものは、元々ないのだと、こう言う人も居る。

「北陸新幹線てえものが、出来たじゃねえか。東京まで、
たったの二時間半だぜ」
クラブ活動は、午後二時からだ。
金澤の宿で朝飯を食い、一風呂浴びてから出たって、
悠々間に合うことを、私はきっと、力説するだろう。
この騒ぎの中で「いや、待てよ」と言い出す、冷静な仲間が、
果たして居るかどうかだ。

「旅は出たとこ勝負」
私は、かねてから、これを持論とし、実践している。
それが災いすることがある。
これまでも、しばしばあった。
それを心配している。

 * * *

男子が二名、女子が四名。
今年の卒業生は、例年より少し多い。
「手塩にかけ育てた」とは言うまい。
えらそうなことは、何一つ、やっていないのだから。
ただ、長い付き合いではあった。
六年間の中の、ほんの微々たる時間ながら、
この世を共に過ごしたことになる。

当日は、彼らを最前列に座らせ、記念写真を撮る。
この日ばかりは、校長、副校長も、顔を出す。
私達コーチ陣も、もちろん加わる。
その写真は、後々まで残る。
私は、気を引き締め、顔も引き締め、その場に立たねばならない。

私は、よほど心して、旅行に臨まねばならない。
うっかりすると、すぐにタガが外れる。
逸走する。
それを防ぐために、自戒を込め、この文を書いている。



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もういくつ寝ると・・・

パトラッシュさん

風香さん、
旅に出る前は、何時も心が高ぶります。
飲むのが目的の、お気楽旅ともなると、なおさらです。
指折り数え、当日を待っている状況です。(笑)

2015/03/14 11:31:06

ワクワク感いっぱい

さん

3月は うれしいことが満載ですね。
ボランティアのご褒美ツアーですか?
今から心躍ることですね。
修学旅行前の小・中学生の心持でしょうか^^

2015/03/14 10:25:42

越後の雪景色は・・・

パトラッシュさん

彩々さん、
私は、寒さには強いのです。
暖まり方を、知っていますので・・・

それよりも、春が加速するとなると、果たして、雪があるかどうか・・・
それが気がかりです。
何しろ、雪見酒を楽しみにしておりますので。

2015/03/14 07:20:50

行きたいなあ・・・

パトラッシュさん

Yさん、
富山はいいですね。
おっしゃるように、魚が美味い。

そして、金沢もまた、情緒のある、いい町です。

2015/03/14 07:14:11

一気に気温が上がると…

彩々さん

今週から春が加速するようですよ。
しかし越後のほうは寒かろう(!?)
それには暖まり方は一つ!
呑みたくなくても、呑むしか無かろうと
呑んでいない時間は、さぞ少ないことでしょう。

卒業して行く可愛いお弟子さん達をガッカリ
させないよう御一行様に、うれぴー先生を
見張ってもらわなければですね!?

2015/03/14 05:21:35

越中富山

さん

此処はポン酒もいいし、魚も美味いと
罪作りな止まり木県です。
各駅停車に下車すべき沿線になりますね^^

2015/03/14 00:44:26

誘惑歓迎

パトラッシュさん

秋桜さん、
飲むこと、遊ぶことが、大好きな私です。
誘われると、何処へでも、ほいほい行きたくなります。
その合間を見て、ボランティアをやっているようなものです。
今回も、その一例です。

羽目を外さないようにするつもりですが、飲むとどうなるか・・・
無事に帰宅できるよう、頑張ります。

2015/03/13 20:43:46

うれしい誘惑。

秋桜さん

愉しみごと満載ですね^^
しっかりお酒も人生も選びとって
充実させておられます。
金沢はほんとに旨いもんがいっぱい。
ハメをはずして、おたのしみを。
翌日に持ち越さない程度にね^^

2015/03/13 17:03:58

その誘惑が・・・

パトラッシュさん

吾喰楽さん、
それもそうですね。
金沢まで行って、朝帰りは惜しい。
結局「もう一晩」ということに・・・

金沢も富山も、呑兵衛を虜にしてやまない、困った町です。

今年は、観光客が、大分増えそうです。

倫敦屋、どうしているかなあ・・・

2015/03/13 14:39:45

二時間半

吾喰楽さん

こんにちは。

金澤まで東京から二時間半とは、便利な世の中です。
仕事だと、楽勝で日帰りができます。
遊びの旅でも、今までは二泊は欲しかったですが、一泊でも大丈夫かもしれません。
でも、折角、金澤へ行って、“宿で朝飯を食い、一風呂浴びてから出る”では、もったいないですよ。

さて、どうなることやら。

2015/03/13 14:04:36

暴飲しそう・・・

パトラッシュさん

マリーさん、
それが最近、とみに弱くなっていましてね・・・
エスカレーターを駆け下り、すっ転んだりしています。
一つ良いことは、恥も外聞もなくなるからでしょう、
カラオケでは開き直り、大きな声で、唄うことが出来ます。

さて、当日・・・
どうなることでしょう。
私は、マリーさんのように、「三杯だけよ」とは、参らぬのです。

2015/03/13 13:50:21

想像力豊か

さん

リレー将棋というのはおもしろそうですね。
その場の子供たちの雰囲気がこちらにも想像できます。

なみなみ注いだ地酒を心行くまで飲むのでしょう。
しかしながら翌日のスケジュールを考えると暴飲はできませんが、強いからきっと大丈夫でしょう。

2015/03/13 13:30:29

パトラッシュさん

シシーマニアさん、
さぞ多くの生徒さんを、世に送り出されているのでしょうね。
敬服します。

年齢差が広がる・・・
仕方のないことですね。
私なんか、孫を相手にしているようなものです。

前日に緩みきった顔を、当日、何処まで引き締められるか・・・
それが問題です。
頑張ってみます。(笑)

2015/03/13 13:25:29

何とかなるでしょう

パトラッシュさん

SOYOKAZEさん、
担任と言えば、親に次ぐ者、感慨も一入だと想像されます。
涙もろい私には、到底務まりそうもありません。
娘さん、えらいですね。

さて、旅行が迫っております。
さぞ、珍道中になるのでは・・・
とにかく行ってまいります。(悲愴な覚悟で)(笑)

2015/03/13 13:19:45

恩師の貫録で

シシーマニアさん

卒業式は、送り出す方に色々な感慨がありますね。

華やかな席で、卒業していく生徒たちの今後、特にそれぞれの格差に思いを馳せると、感慨も複雑です。

そして、後に送られてくる、沢山の写真。年を追うごとに、花形の卒業生たちとの年齢差が広がり、これも感慨ひとしおです。

いずれにしろ、前日は心ゆくまで楽しく過ごされ、当日は経験豊かな恩師然として、現場に臨まれてはいかがでしょうか・・。

2015/03/13 11:27:43

さて、どうなりますか?(笑)

さん

パトラッシュ師匠 こんにちは。

卒業生の担任を何度もしている、私の押しかけ娘は、毎回、涙涙で卒業式を迎えるようです。
クラブ活動といえ、感慨無量と拝察します。
しかし、師匠のご気性も存じております。

今回は如何なりますことやら?
多分一人は、比較的冷静な方がいらっしゃるでしょうから、その方に運命を託されては如何でしょう?

無事、部活顧問の職務が果たせるとよいのですが。(笑)

一人、まだ、往復乗車券を買っていない者がいて、「やはり片道にしておこうか?」と考えているような気がします。

2015/03/13 10:48:10

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