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パトラッシュが駆ける!

人を選ばば 

2015年06月20日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

A子が、ため息をついた。
碁を一局、打っただけなのに、精も根も尽きたという顔をしている。
「あの人とは、もうやりたくありません」
対局の相手、B子が帰ったのを見届け、吐き出すように言った。

「勝ったから、いいじゃないの」
「今日は、何とか勝ちましたけれど、
いずれ追い越されるでしょう。
次はきっと、やっつけてやるって、そう言う目で、
私を睨んでましたから」
「あなただって、頑張ればいい」
「だめですよー、あちらは伸び盛りだし・・・」

A子は、穏やかな性格で、およそ人と争うことなど、
ないように見えた。
その意外な一面が、見えたことになる。
彼女実は、負けず嫌いなのであった。
遠くない将来、若いB子に追い越されることを、
早くも憂慮している。
先輩としてのプライドもあろう。
それを踏みにじられるのは、辛かろう。
楽しかるべき碁が、逆に苦痛になりかねない。
その気持を、わからないでもない。

私だって、人を嫌いになることがある。
誰かと「気が合わない」ことは、もう、ちょくちょくある。
しかし、たかが碁くらいで、その相手の人格まで、
否定してしまうことはない。
分けて考える。
それはそれ、これはこれ・・・である。

女性同士の対抗心、これが私には、よくわからない。
些細なことから、たちまち相手を嫌いになる。
「そんなことで」と私は思うのだが、
彼女らには「そんなことではない」のであろう。
そして、一旦嫌いになると、もうダメだ。
女性は梃子でも動かない。

私はただでさえ、女性の扱いに慣れていない。
説得なんてことは、とてもじゃないが、この私には出来ない。
次回から、A子vs.B子の対局は、組めないことになった。
小さな私のサロンにも、時にさざ波が立つ。
女の闘いが起きる。
これに困っている。

 * * *

とは言うものの、私だって似たようなものだ。
人付き合いに関し、偉そうなことを言えた義理ではない。
私は、些細なことから、長く付き合った友と、
袂を分かったことがある。
それも分別盛りの、中年期以降においてである。

「腹に据えかねて・・・」のつもりであったが、さてその
「据えかね」を、人に説明するとなると、とても次元の低い話になる。
突き詰めれば、感情の行き違いに過ぎない。
そこを強引に、我にこそ義あり、相手に不実ありと、
しかつめらしい理屈付けを、するくらいのものだ。
A子の腹立ちと、本質的に何も変わらない。
だから、A子を批判するなど、私には出来ない。

断絶に至るくらいなら、用心して、その人となりを推測し、
初めから付き合わない方がいい。
最近は、そう考えるようになった。
これを、年の功と言うのかもしれない。
若い頃より、少しは人が見えるようになった。
そんなような気がする。

さながら、食欲のようなものだ。
若い頃は、質より量であった。
何でも構わず、貪欲に食べた。
それが最近は、好ましいものだけを、適量摂取するようになっている。

友達を選ぶについても、同じだ
用心深くなった。
その言動の端々に、奇矯が臭う。
そういう人には、そもそも近づかないことにしている。

例えば、SNSなどのネット上の付き合いでもそうだ。
言葉使いの、なってない人が居る。
常に世の中を批判し、批判する自らをのみ、絶対とする人が居る。
こう言う人と、私は関わるまいと思っている。

 * * *

一方で、この私もまた、人に見られている。
それを忘れてはならない。
考えてみれば、この私だって、かなりうさん臭い人間だ。
すぐに知ったかぶりをする。
えらそうなことを言う。
人に嫌われて、何の不思議もない。

最近の私は、日常茶飯に止まらず、政治がらみのことも書いている。
特に原発の問題だ。
私はこれに反対で、しばしば国会議事堂前まで出かけて行く。
デモに加わるためだ。
そうしては、その模様をエッセイに書く。
原発に賛成する方々からは、さぞ、白い目で見られているに違いない。

さらには、現政権が強行する、集団的自衛権の解釈変更にも反対だ。
憲法第九条は、我が国が世界に誇り得る、至高の理念だと思っている。
ほれぼれするような、名文でもある。

「寸土を失えば、全土を失う」
こんなレトリックに、惑わされてはならない。
戦争はいけない。
これを、生きている限り、叫んで行かなければならない。

人を篩にかければ、私もまたかけられる。
やむを得ないことだ。
人を嫌い、そして私も嫌われる。
仕方のないことだ。

だから、A子を説得しようなどと、私はゆめゆめ思っていない。



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まだまだ・・・

パトラッシュさん

シシーマニアさん、
選挙で、与党に投票した人がたくさんいたから、
現在のような政治情況になったわけですが、
但し、自民党に入れた人のすべてが、戦争へと突き進むことに、賛成したわけでは、決してなかったと思うのです。
アベノミクスとかいう、見せかけの繁栄に乗せられ、安倍政権の本質を、見誤った、あるいは、見ようとしなかった、その結果だと私は思っています。

ごまめの歯ぎしりのようなものですが、私は微声を上げ続けて行きたいと思っております。

囲碁の話と結びつけたのは、少々問題があったかもしれませんが・・・

シシーマニアさん、世捨て人になんか、ならないで下さい。

2015/06/22 19:24:37

世捨て人になりかけていますが・・。

シシーマニアさん

今日は、政権に関してのご意見を読み、とてもすっきりしました。現政権が続いているのは、支持する人も数多くいるからなのだと、実に嘆かわしく思っていたところです。
私の声など負け犬の遠吠えだ、と諦めかけていますが・・。最近はメディアの論調も政権寄りに見えるし。
もはや世捨て人がこれからの道かな、等とと思ったりしていました。でも、まだまだ捨てたもんじゃないかも?

2015/06/22 14:05:59

どうなりますか・・・

パトラッシュさん

彩々さん、

女性の生徒さんには、気を使います。
ちょっときついことを言うと、すぐに止めてしまうこともあるからです。
むさくるしい男だけのサロンにしたくないので・・・

彩々さんは、運命鑑定と言う、深遠な行為を通じ、来訪者と接しているわけで、その苦労は、私などの比ではないと思います。
(やってみたい気も少しありますけど)
時に、割り切りも、必要でしょうね。

安倍さんが、転げ落ちてくれればよろしいのですが・・・
と現政権の暴走に呆れている私は、期待しているのですが・・・

2015/06/22 10:54:30

深いお話しですね。

彩々さん

パト師匠は対局する二人を指導し、監視(?)
する立場。
これは、長い人生経験から客観的かつ
独創的に、タイミングよく言葉を添えて
いかれるのでしょう。
なかなか出来そうで、出来ないことです

>常に世の中を批判し、批判する自らをのみ、絶対とする人が居る。

私も立場は違いますが、多く居るこうした
考えを持つ方の運命鑑定を、曲がりなりにも
させていただいている身。
占術から見た解答をするのですが、相手が
聴く耳を持たず、己のみの考えの範疇でしか
理解しようとしない人には、何も言いません。

私自身も、まだまだ人生経験をさせていただい
ていると考えます。
以後、ご相談にいらしても、関わるまいと
するほうです。


現在、日本国を任せられた安倍さんの、
集団的自衛権の解釈変更。
これ、まさに自我の押し売り。
確かに今、日本は(世界)変革期ではあります。
安倍さん、総理大臣の椅子も傾いてきている
時期なのに…このままだと、その内、転げ落ちる
のではと思い、診ています。

2015/06/22 09:02:28

反対の声を

パトラッシュさん

喜美さん、
ピアノでもあるのですね「追い越される悔しさ」というものが。
囲碁の場合は、文字通り、黒白を付ける結果になるので、
負けた時の悔しさは、ひとしおです。
習いごとはおおむね、相対評価なのですが、勝負は絶対評価ですから。
でも、息子さん、サッカーに転じて、花開いたようです。
人間、向き不向きがありますから、それでよかったのでしょう。

原発と戦争、反対の同志が居て下さり、心強いです。
戦中戦後の苦難を、知らない若者が増え、また、忘れてしまった年配者も居て、我が国は今、非常に危機的な状況に陥っています。
私は、出来るだけ、声を上げて行こうと思っております。

2015/06/20 17:05:07

色々

喜美さん

負けるから嫌になる 息子がそうでした1年生の時ピアノのお稽古から
帰ってきてもう行かないと
理由聞いて笑いそうだった
彼は初めからピアノなんか習いたくなかったのに姉がやっていたから
行く羽目になったわけ あるとき先生が練習もしてこない息子を励ますつもりで 誰々君に追い越されるよの
一言で辞めた直ぐサッカーに乗り換え
好きなことは努力もしたし負けじ魂が出たらしい

気力は歳とともに薄れ我儘になります(私)歳のせいにして言いたいことを言う 許してもらえるだろうと甘えがあります

原発と戦争は大反対です昔の戦争で
空襲に遭い 着の身着のままで逃げた経験ありますし是非行くなり書くなりしてください 

2015/06/20 15:12:32

適度の距離で

パトラッシュさん

Reiさん、
そうでしたか・・・
同じような例が、あるのですね。
しかし、我慢して付き合うわけにも行かず、離れるのも、仕方ないですね。

憲法のこと、同志が居てうれしいです。
なんだか、Reiさんが、より身近に感じられます。(笑)
でも、とことん近づいたりは、しませんから。(笑)

2015/06/20 13:17:30

おかげさまで

パトラッシュさん

SOYOKAZEさん、
なるほど、わかりました。
「肌が合わない」って、確かにありますからね。

人により、近付き過ぎない方が良いことも、しばしばあります。
結局は、人を選ぶ。
それには、人を見る目が、問われるのだと思います。

私はいまのところ、良き友に恵まれております。

2015/06/20 13:04:26

見習わなければ・・・

パトラッシュさん

吾喰楽さん、
おっしゃる通りですね。
吾喰楽さんは、私より若いのに、人間はずっと出来ています。
私は時に、かっと頭に血が上り、やらなくてもいい喧嘩に、つい及んでしまうことがあります。
譲るべきところは、譲らねば・・・
但し、原発とか憲法の問題では、翻意するようなことは、ありませんが・・・

2015/06/20 12:57:59

人間同士

Reiさん

難しいですね…。
数年前に無二の親友を失いました。
もう30年もの付き合いだったのに、彼女が私の心の中に土足で入って来たのが苦痛だったから、自分から離れました。

それ以来、人間に深く入り込むことに、抵抗のある私です。


それから、私見ですが、私も戦争は絶対反対!
憲法9条は守るべき、と思っています。

2015/06/20 11:03:13

相性と好き嫌い

さん

パトラッシュ師匠 こんにちは。

A子ちゃんの気持ち、わかりますよ。
それに、人には相性というものがあって、「どうも肌が合わない」理屈でなく、そう思うことがあります。
良い方だと思って、お付き合いしていても、拘束感とか、近づき過ぎると感じると、もうダメです。
「三十六計逃げるに如かず」です。

我儘かな?とも思いますが、勤め先では、誰とでも仲良くできるけれど、プライベートは、もう気遣いは疲れます。

今は、言いたいことを言い、好きな人と付き合って行きたいと思っています。
勿論、吾喰楽さんが仰るように、友の言葉は、苦言であっても、受け止め反省します。そして、ありがたく思います。

2015/06/20 10:18:40

友人

吾喰楽さん

おはようございます。

友達とは、相手の欠点を許せることだと思います。
また、その欠点を指摘できることも大事です。
指摘したことで、仲たがいしたら、それは真の友達ではなかったということです。
互いの長所を認め合い、双方が成長できたらいいですね。

2015/06/20 09:18:45

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