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パトラッシュが駆ける！

赤シャツ先生　

2015年07月01日 ナビトモブログ記事
テーマ：テーマ無し

男子は将棋に興じ、女子は囲碁を好む。
そういう傾向がある。
Ｔ小学校のクラブ活動では、将棋部門二十人ほどの中に、
女子が二人しかいない。
囲碁部門は逆に、十人ほどの中に、男子が三人だ。
実にもうその比率が、くっきりとしている。

感性というものの、違いであろう。
将棋の方が、理詰めと言われている。
囲碁は、論理より、感覚的要素が、大きいとされている。
その違いが、それぞれの男女比となり、表れるのではあるまいか。

さて、この私はどうか。
多分、いい加減な気質なのであろう。
一つに絞れずに、囲碁将棋の両方をやる。
相撲で言えば「なまくら四つ」であり、嗜好で言えば
「甘辛両刀」である。
ついでに言えば、ナニの方だけは、二刀流でない。
女性一筋である。
ホモとかゲイと聞いただけで、それは胸くそが悪くなる。

Ｔ小囲碁将棋部においても、両部門のコーチを兼任している。
所在なげに、うろうろしている生徒見れば、
それが囲碁でも将棋でも、すぐに対局へ誘ってやる。
便利と言えば便利だ。
日本ハムの大谷のような、格好よい二刀流ではないけれど。

六月は忙しかった。
文部科学大臣杯のかかった、小学生の団体戦が、
続けさまにあり、私は、囲碁と将棋、両方の大会に出た。
任務ではない。
自発的にやっている。
他流試合を前に、緊張する生徒達に対し、冗談を言って笑わせる。
そのくらいのことしか、私には出来ないのだが。

　＊　＊　＊

将棋大会は、東京下町の、ある会館を借り切って行われた。
廊下で出会う人が、いやにしげしげと、私の顔を見る。
トイレに入ると、先客が、ぎょっとして私に視線を向ける。
シャツのせいだ。
いい歳をしたおじさんが、真っ赤なＴシャツを着ている。

私だって、好んで着ているわけでない。
実はこれが、Ｔ小のユニフォームなのである。
その証拠に、胸にエンブレムが入っている。
背中にもある。
生徒達との連帯感。
これを示すために、着用している。

このシャツを支給され、もう何年にもなる。
大会がある度に、これを着て出かける。
但し、電車の中では恥ずかしいから、上に開襟シャツを羽織って行く。
現地に着くや、シャツを脱ぎ捨て、赤シャツになる。

会場内では、各校の生徒達が、色とりどりのユニフォームを着て、戦いに臨んでいる。
小学生は、赤でも青でもいい。
何でも様になる。
いい歳をした、おっさんだから、赤が目立つ。
時に、ぎょっとされる。

今年、Ｔ小からは、三チームが出場した。
その中のＡチームが、快進撃を続けている。
あれよあれよという間に、最終戦に臨み、
ここでも相手チームを撃破し、とうとう優勝してしまった。
これつまり、東京都代表として、東日本大会への出場権を得たことになる。

えらいこっちゃ。
才能ある生徒が集まると、こういうことが起きる。
今年はそう言う年なのだ。
私の指導がよかったわけではない。
昔取った、初段の肩書で、初心者に教えるくらいが関の山、
Ａチームの生徒達は、とっくに私の実力を追い越している。

　＊　＊　＊

次の日曜が、囲碁大会の日だった。
こちらは、囲碁の総本山、日本棋院で行われた。
私は、例により、赤シャツを着込み、市ヶ谷を目指した。

会場内に、生徒達が見えない。
広い場内を回り、ようやく見つけた。
発見困難なわけだ。
彼女らは、赤シャツを着ていない。

「どうして？」
「だって、赤って、かっこ悪いんですもの」
口をそろえて言う。

将棋の男子達は、不平も言わずに、全員が着揃えていた。
一方で、囲碁の女子は、赤が嫌いだという。
これが私には、わからない。

仕方ない。
私は、開襟シャツのままで、会場内に居ることにした。

ここでも快進撃が続いている。
三回戦を終え、全員勝利だ。
白星がずらり並んでいる。
次の四回戦に勝てば、優勝ではないか。

将棋に続き、またもや快事となる。
「よくやった」
皆さんの努力が、実を結びましたねと、私は、終了後の訓話まで考えていた。

こう言う時がいけない。
期待が先行すると、途端に勝利の女神が逃げる。
四回戦はあえなく負けてしまった。
三人、枕を並べてである。

それでも、三位には入賞した。
「よくやった」
もちろん、褒めてはやる。
しかし、惜しいったらない。
詰めが甘い。
精神的に、至らないものが、あるからだろう。

ユニフォームを軽んじたからだ・・・
とは言わない。
今さら遅い。
しかし、来年は事前に、言ってやろうかと思っている。

「団結のしるしだ。格好悪いなんて言わずに、全員着て行こうぜ」と。
この私だって、世間の皆さんの、奇異なものを見る、
視線に耐えている。
「女子だって、赤くらい着ろよ」
言ってやりたい。
しかしである。
女子が赤を好まないなんて、私の感性では、理解しがたいことなのだが。



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ご無沙汰しました

我太郎さん

おめでとうございます

ドライアイでネットを控えています
ご活躍の様子拝見しました

＞そのくらいのことしか、私には出来ないのだが

それが大事なようです
たまたま昨日東急の社長さんの対談をテレビで見ました
成績が上がらない会社に行かされて？、やる気を出すにはどうしたらよいか考えて、社員全員と昼飯を一緒に食べたそうです
２年だったかで黒字転換出来たとか
何でもないようなことがやる気の元となる
そんなことだったように受け止めました

お元気でご活躍何よりです

2015/07/10 09:27:34

精神面の強化

パトラッシュさん

SOYOKAZEさん、
確かに平常心が保てなかったのでしょう。
それまでも連勝が、ウソのように、三人枕を並べ、
討ち死にしてしまいました。（笑）
精神面を鍛える・・・
これが簡単なようで、難しいのです。
先生の力が、試される時でもあります。（笑）

2015/07/02 07:58:26

おめでとうございます！

さん

パトラッシュ師匠、おはようございます。
久しぶりの、師匠の文章を拝見して嬉しいです♪
それも、可愛い愛弟子たちの健闘と、優勝に三位入賞のお話し。
本当におめでとうございます！

将棋の赤シャツグループは、大事な優勝が決まる試合でも、仲間の中の己意識があったので、冷静に己が力を発揮できたのではないでしょうか？

ノン赤シャツのグループは、決勝戦ともなれば、欲が出ます。
そこで、己の平常心を保つことができなかったのではないでしょうか？
瀬戸際で、個人と、団体では意識が違う様に思います。
是非次回は赤シャツで臨んで頂きたいです。
陰ながら応援しています！

2015/07/02 07:35:42

囲碁は

パトラッシュさん

喜美さん、
旅に出ておりました。
今後はしばらく自重して、品行方正に過ごそうと思っております。

お父さん、お兄さん、囲碁は教えてくれなかったのですか？
それは残念。囲碁は女性に向いているのです。そして、喜美さんのように、才能のある人なら、飲みこみもきっと、早かったでしょうに・・・

そうです。
麻雀はメンバーが四人いないと成り立ちませんから、必死に教えたのでしょうね、きっと。

2015/07/01 18:09:55

もう一回

パトラッシュさん

吾喰楽さん、
今年は赤シャツを、もう一回着るようです。
東日本大会にも、行かねばなりませんから。
今度はさすがに、強豪が集まるでしょうから、
優勝とは行きませんでしょうけれど・・・

余談ながら、新幹線の中で、焼身自殺した男の住んでいたアパートは、我が家から１０分ほどのところでした。
先ほど行って見ましたが、報道陣でいっぱいでした。

2015/07/01 18:04:00

おっしゃるように

パトラッシュさん

シシーマニアさん、
> あまりにもベタ、
ということなんでしょうね、きっと。

ハイセンスな女の子・・・とは、思えないのですが、当人たちは、そう思っているのかもしれません。
（なにしろ、生意気な連中ですから）

「大人の休日フリー切符」というのを使い、東北地方へ、４日ほど旅に出ておりました。
もうお気づきでしょうが、私は非常に偏執的な旅をやっております。
そのせいもあり、一人の方が気楽なのです。
教養は、多分ないと思います。
ただ、書物などから得た、何かの情報を基に、目的地を決めますので、その地について、さも物知りであるかのような、そんな印象を読者には抱かれるかもしれません。

ホームページをお読みくださいまして、ありがとうございます。
２８日に帰宅し、２日で２編書き上げました。
（ちょっと、きつかった・・・）
あと２〜３編ほど、来月号に追加したいと思います。

2015/07/01 17:59:21

意外にも

パトラッシュさん

Reiさん、
私は、古臭い人間なので、男が赤を着るのは、
はずかしいという思い込みがあります。
女性は赤・・・と思っていたら、そうでもないのですね。
Reiさんは、お若いから、赤を着ないでも、十分に世間の注目を浴びることでしょう。
なんたって、女子アナさんの、お母さんですから・・・

2015/07/01 17:38:32

碁と将棋

喜美さん

お留守と思ったら好きな一人旅でしたか
将棋と碁は私男の人がやるものだと思っていました　家に両方あるのに
父と兄がやっていました　麻雀は人が足りないので教えたのよ　こちらはだれ一人教えてくれませんでした

赤シャツ頑張りましたね　何事も団結ですね　先生嬉しいでしょう

2015/07/01 14:19:38

おめでとうございます

吾喰楽さん

こんにちは。

将棋の東京都大会優勝、おめでとうございます。
東日本大会での活躍をお祈りしています。

囲碁の東京都で三位だって、素晴らしいですよ。
来年は、赤シャツを着て、頑張ってください。

2015/07/01 14:06:22

いい旅ですね。

シシーマニアさん

ご旅行でしたか・・。
暫く、お見かけしないのでホームページも覗いてみましたが、気が早かった様でした。
今日、一気に読みました、ってまだ続くのでしょうけれど・・。
私には、とても理想的な旅に思えます。
一人旅の気楽さが好きです。
でも私は師匠の様な、蓄積された様々な土地への情報がないので、(人はそれを教養と呼びますが、師匠はそんな表現はお嫌いかも・・。）殆ど素通りです。只、非日常の場に、日常の様なつもりになって身を置く、というのが私の好きな旅のパターンです。

2015/07/01 12:44:13

都会的

シシーマニアさん

西洋志向の強い私は、息子に幼いころから赤をよく着せていました。
西洋ではあまり、女の子は赤い色、男の子には青い色、といった傾向はない、と思い込んでいた節があります。

女の子が赤を敬遠するという傾向は、あまりにもベタ、だからではないでしょうか。都会的な印象ではありませんものね。
師匠の環境が、ハイセンスな女の子に囲まれている、という事かも知れませんよ。

2015/07/01 12:12:58

大活躍

Reiさん

師匠
将棋や囲碁の師匠としても、大活躍ですね！

赤いシャツを着た、子ども連れの師匠を見てみたいです。

先日、色とりどりのマスコットを作ったら、オバチャンたちは、真っ先に赤を選びました。
つまり、オバチャンは赤が好き。
でも、若い女性は…？

ちなみに、私は赤は、そんなに好きではありません!?

2015/07/01 11:15:26

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