ウイールマン

クラッシュ 

2016年06月24日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

バイクレースで勝敗を決めるのは、いかに空気抵抗を少なく走り、
体力の消耗を防げるか。
平均時速40キロオーバーで走れば、空気抵抗はかなりある。
その空気抵抗を最小限にするのは、先頭を走るライダーの、スリップストリームに入る事。
つまりそのライダーの後に、ぴったりつけていけばいい。

先頭ライダーの後輪と、後車ライダー前輪との間隔は、約30cm似内が効果的。

つまり時速40キロで走り、前輪との間隔を30cm似内を維持する。

結局皆かたまって、集団で走る。
よって先行車が突然ブレーキを掛けたり、何かのきっかけで落車でもすれば、
後車はクラッシュする。

バイクレースでのルールは、ブレーキは使うな。使えば後車が突っ込んでくる。

今回のクラッシュもその事が原因で起きた。
先行集団の一人が、何かのきっかけでバランスを崩し、落車。

それを見て、急ブレーキをかける。 

本来なら落車をした車を回り込んで、ゆっくり止まる。
前車が急ブレーキをかければ、後車は突っ込んでいく。

バイクは急には止まれない。
走っていたら、目の前のライダーが急に近づく。
あっというまに突っ込み、道路に投げ出される。多分このライダー筋肉質の若者だろう。
硬い壁に体当たりしたような。

道路に投げ出され、後車が飛び越えていく。

ガチャガチャとバイク衝突の金属音が響く。久しぶりのクラッシュだ。
転んだが、すぐ立ち上がれる。

ヘルメットを見れば、多少の傷だが、割れはない。
ヘルメットがこわれれば、頭を強く打った証拠。幸いにも頭は打ってはいない。

骨には異常なし。このようなクラッシュでは、肩の骨折はつきもの。
体を見れば、擦り傷は3,4か所。
脛をぶつけたらしく、はれ上がってきた。 

歩くと腿の筋肉が痛い。きっと軽い肉離れだろうが、たいしたことはなさそうだ。

周りを見ると、2.3人転がってる。立ち上がれないようだ。
救急車がいやに早く来る。こんなに早く来るはずはないと思ったが。

多分この近くを通っていたのだろう。
それともこいつらは危なそうに走るからと、あとをつけてきたのか、、、

救急車が来れば、あとは専門家に任せるしかない。
今日はうちのチームメンバーも一人も来ていないし、、、自力で帰るしかない。
バイクに乗って帰って車まで走ろうとしたら、他のチームの人が、
“おい、お前のバイク、重傷ではないかと” 
そして“そのバイクに乗ったら危ない“ と一言。

よくよくバイクを見れば、カーボンフレームにクラックが。一か所は完全に折れ曲がり、
もう二か所は大きなひび割れ。

大変だ。相棒が重傷だ。“しっかりしろ”と相棒と叫んでも返事なし。

バイクをそーっと車に乗せ、家に帰ろうと車をスタート。
夕暮れも近く、何となく寂しくなってきた。
“アー またこれか“ 溜息しか出てこない。
このバイク高いんだ。何年間ものこずかい貯めて買ったのに。

さっそく家に電話。
クラッシュして少し怪我したから、応急手当の薬があるかの確認。

家にたどり着いたら、娘が飛び出してきた。
けがの手当てをしてくれるのかと思いきや、なんとスマホで写真を撮り始める。
血がしたたり始めた腕や足。そして重傷のバイクの写真を撮り始める。

そして一言 ”お父さんは大したことないけど、バイクは大変だね“
と言って、どこかに消えた。

今はスマホで写真も撮れるし、ビデオもとれる。 その撮ったものをメールで皆に送れる。
つまり誰でもテレビ局のレポーターになれるのだ。

あの野次馬アメリカ人め。 
今頃、今日の出来事などと,皆に面白おかしくレポートしてるのだろう。

後は誰も出てこない。わが愛犬の“ポチ”だけが心配そうに傍ににきた。
そして擦りむいた足をなめ始めるが ”触ると痛いんだよ、そこは“

びっこをひきながら家に入る。

テーブルの上には救急用具は並んでるが、肝心のナースは何処にもいない。
これは一人で勝手に、応急処置をしろとの意味だ。

一人寂しくシャワーをとる。
出てきて一人で、化膿止めのクリームを塗り始めると、肝心のナースの登場。
今まで何をしていたのだろう、こんな緊急事態に。

しかし処置はもう終わってる、、、、ナースは、何もすることはないのだ。

珍しく誰かからのメールだ。

開けてみると、なんと今日のクラッシュシーンが、チームメイトから送られてきた。
こちらの容態もあまり聞かず、そのシーンから誰が悪かったとか、
どうするべきだったとか、長々解説が始まっている。

こいつも同じレポーターか。なんという世の中だ、、、、



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喜美さん

ウイールマンさん

すみません、ご心配かけて。 

どこかのレポーターが、ネタをかぎつけ公表してしまったので、この騒ぎです。

困ったものです、何処にいてもレポーターが、あっちこっち。

又まじめに、書き続けます。

2016/06/25 03:57:08

れつさん

ウイールマンさん

すみません、ご心配かけて。

擦り傷や打ち身は、だいぶ治りました。今は黒くあざみたいになってますが、若いので回復力は抜群です。

所が仰せのとうり、懐は年寄りなので、回復力はどうでしょう。 再起するのに時間はかかるかも、、、、

2016/06/25 03:52:01

大丈夫?

喜美さん

もう大丈夫ですか 大変でしたね 身が軽いからその点随分違うでしょうね
昔からウイールマンさんのブログ楽しみでしたけれど日本にいる私が昔行ったところも思い出させて頂き今喜んでいます

2016/06/24 16:28:46

お大事に

れつさん

頭を打たなかった何よりですが、擦り傷や打撲は後からジンワリ痛みますから、ようじょうなさってください。
 懐の傷も、イタイ・・・

2016/06/24 15:45:18

澪つくしさん

ウイールマンさん

足の腫れは治りました。すみません皆さんにご迷惑かけ。
来週にも新しいバイクが来ます。他にすることもないので、早速トレーニングは開始です。

ハンチントンビーチは大好きですよ。

うちの娘のハズバンドがサーフィン好きで、よく行ってるようです。

実は昨年ハンチントンビーチに、新しく住む家を探していました。

あそこはとても自然がいっぱいで、素敵なビーチがありますね。

2016/06/24 11:15:50

ヨコレス吾喰楽さんへ

パトラッシュさん

なるほど、そうでしたか。
さもありなむ……ですね。
読書量というものは、いくら自身を韜晦させたつもりでも、必ずどこかで、知性の一端として、にじみ出てしまうようです。

吾喰楽さんの場合は、ご謙遜です。
近年の多読は、私もよく存じております。

2016/06/24 09:35:46

脛の腫れは、いかがですか?

澪つくしさん

紀行文、楽しく読ませて頂いてましたら、
ナビ友吾喰楽さんのブログで「クラッシュ」を知り
気がかりでした。
軽傷で済んだようで好かったですね♪
でも、バイクが重症とか・・・お見舞い申し上げます!

娘家族がハンティントン・ビーチで暮らしております。
お婿さんが留学後、現地企業に就職しましたので・・・
今では3人の孫と永住です。

娘曰く、近くに大きな公園がいっぱいあって、
子育てには素晴らしい環境だそうです。
お蔭で、孫たちも毎日スケボーやバイク、木登りで
伸び伸びそだっています。

傷が癒えましたら、またトレーニング開始ですね♪

無理せず、ご健闘ください!

2016/06/24 09:10:04

ヨコレスですが

吾喰楽さん

パトラッシュさん

高校生の頃、彼は文学青年でした。
大江健三郎など、好んでいたと記憶しています。
私は、読書と云えば、教科書と参考書を読むくらいでした。
「もっと本を読め」と、彼から云われていました。

私が読書に目覚めたのは、社会人になってからです。

2016/06/24 08:57:35

シシーマニアさん

ウイールマンさん

そうですか、やはりNEW JERSEYですか。

東部には歴史があり、情緒深いいい街が多いですね。

2016/06/24 07:48:00

パトラッシュさん

ウイールマンさん

お褒めの言葉、ありがとうございます。

でもそんなに褒められると、、、元来すぐ調子に乗るタイプなので。

”豚もおだてりゃ,木に登る”心境です。

落ちなきゃいいのですが、、、、

2016/06/24 07:42:32

夢の様な生活でした

シシーマニアさん

そうでしたか。
Fort Lee にいらっしゃいましたか。
私は、Princeton new Jersey です。

New Jersey は、[Garden State]と言われるくらい、きれいな州ですよね。海にもよく泳ぎに行きました。
二年間でしたが、10年分位の感じがする、濃い毎日を送りました。
アメリカの人たちには本当によくしてもらったので、いつか恩返しをしたいと思いつつ、今日になってしまいました。

2016/06/24 07:40:18

大したものです

パトラッシュさん

元々文才がおありなのでしょう。
ウィールマンさんの文は、ここへきて、めきめきとよくなっています。
きっと、書き慣れて来たのでしょう。
読ませる文、読者を引き込む文になっています。
本日のこれは、中でも秀逸です。
クラッシュの緊迫感を伝えながら、そこに客観的な目が光っています。
これを余裕と言うことも出来ます。
ユーモアも横溢しています。

細かい字句の間違いなど、気にすることはありません。
紀行文でも、日常茶飯でも、どしどしお書き下さい。

2016/06/24 07:38:53

シシーマニアさん

ウイールマンさん

まだバイクのほうは、復帰していませんが、もうしばらくの辛抱でしょう。

30年前に東部にいられたとは。
あの頃は仕事で毎月東部に行きました。

場所はFort Lee New Jerseyです。多分ご存じだと思います。

2016/06/24 07:19:41

彩々さん

ウイールマンさん

ご心配有難うございます。以後気をつけます。

2016/06/24 07:16:16

祝・復帰

シシーマニアさん

すぐ復帰されて、安心しました。

毎日楽しく読んでいます。
私は30数年前に、アメリカ東部に家族と住んでいました。
帰国の際には、自動車で大陸横断して、最後にサンフランシスコで車を売却して日本に帰りました。

そんなことを、懐かしく思い出しています。

2016/06/24 07:12:31

ご無事で

彩々さん

空を飛んだ後、何とか後遺症も軽いようで
安心いたしました。
良かったです!

拍手だけさせていただこうと思いましたが、
それも何ですから…
一言、お見舞いの言葉を残させていただきました。

そろそろ、歳には勝てないお年頃になりました。
(お互いに)
どうぞ、お大事にされてください。

2016/06/24 07:09:39

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