ウイールマン

二人の銀座 

2016年07月06日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

銀座を訪れる。 この街に最後に来たのはいつ頃の事。

以前仕事で日本に来ていた時、タクシーで通った事もあった。

その時あまり懐かしくも思わなかった。

あれはもう十数年前の事。

しばらくぶりに訪れる、そして銀座は豹変していた。
こうして銀座を歩くのは、もう何十年ぶりになるのだ。

この街にはいろいろな思い出が、たくさんつまってる。

半世紀以上も前、、、、

テイーンエイジャーのころ、よく銀座に遊びに来た。

“みゆき族“ なんて言葉が流行してた。 

着飾って、みゆき通りを歩く。
何か流行の先端を行ってるような。

気にいった可愛い女の子をみると、声をかける。

“お茶のみに行かない?”

それが合図だ。  

あの頃は、なにも怖いものなどなかった。銀座はカッコいい街だった。

42年前、アメリカに行く為の最後の手続きをしに。

銀座にあった日本交通会館。

帰りがけ、もしかしたら、もう二度と訪れる事も出来ないかもしれない。

そんな思いで、この大好きな街を一人歩いた。

この街に別れを告げるのが、何か嬉しいような、悲しいような。
夕闇が迫り小雨降る中、いつまでも歩いていく。

そして口ずさんでいた “マイ ウエイ”

“今船出がちかずくこの時に、、、
信じたこの道を、すべて心の決めたままに、、、、“

これでいいんだ、これが俺の人生なんだ。

“さようなら”

この街を離れる時に、雨のしずくか、涙なのか。
何かがほほを伝っていった。

 

そして3年後。

二度と訪れる事もないと思った、この街を再び訪れる。

彼女と最初のデートはこの街だった。 
白地に薄い花模様のワンピース。

この街にとけこんでいた。

その花模様が心にしみわたる。
二人の出会いを、暖かく見守っていてくれた街、銀座。

あれからもう39年たった。
二人でまたこの街を訪れる。

都会の変貌は早い。 あの時の面影は、ほとんどない。

有楽町の駅を出たが、いつものように右往左往。

何とか銀座4丁目めざし歩き出す。

懐かしいあの “みゆき通り” も見える。

しかしどこか違った国を、歩いている。
 
横文字の派手なネオンや看板が目につく。

銀座は個性のない、何処にでもある、きらびやかなすました国際都市。

ニューヨーク、香港、そして銀座。

皆同じような風貌だ。

思い出の日比谷公園方向に足を向ける。
あの淡い花柄を見つけた場所。

あの帝国ホテルを訪ねる。

昔と同じ帝国ホテルだ。 彼女と待ち合わせしたロビーも同じ。

何もかも変わってはいなかった。
風格のある、昔の姿のままのたたずまい。

あれから何十年の時が流れたとは思えない。
あのドアから、あの花模様のワンピースが、入ってくるような。

その花模様は、すこしずづ色あせてきているが、
いまだまだ、新鮮な色彩をはなっている。


そしてこれからも、、、ずーっと、、、永遠に。



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