ウイールマン

再び羽田 

2016年07月04日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

植えたばかりの田んぼの苗は、朝日に輝いていた。
秋田の空に抱かれて、これからすくすく育っていくだろう。

朝ケンさんの運転する車で、秋田空港に向かう。
能代に向かい、高速に入る。

真っすぐに天に向かっている、秋田杉が綺麗だ。
周りの木々も、さんさんと耀く春の日の下、緑色に輝いている。
東北も、長い冬が終わり、もうすぐ初夏が訪れるだろう。

車は秋田空港のちかずく。
ケンさんは、青森から秋田まで、ずーっと運転をしてくれた。
今度はいつ会えるのだろう。

秋田空港もやはりローカル空港。 人影があまりない。
チェックインを済ませ、搭乗口に向かう。

飛行機は羽田をめざし、秋田の空を飛び立つ。
眼下には日本が見える。 東北の、優しい姿が見えている。

暫くすると、飛行機は高度を下げ始める。
もうすぐ羽田だ。

下を見ると、東京の街並みが見え始める。
今までの優しかった日本が、急に機嫌が悪くなったような。
優しい緑の山並みがつずいていたのに、今は急に怒ったような四角い街。
ビルデイイングが立ち並んでいる。
なじめない、すましたたたずまい。

大都会東京。 

そんな機嫌の悪そうな東京も、やはり自分の故郷。
昔の面影は、ほとんどない。これも時の流れだろうか、、、、、

羽田は大都会の空港だ。
 
降りたとたん、都会のざわめきが聞こえる。
あの静かで優しい北の国は、遠いところに行ってしまった。

ロビーに出て右往左往。やっと新宿行のバスを見つける。
これからはのんびり日本を懐かしがるのじゃなく、冒険旅行が始まる。

生まれ育った東京だけど、何故かとりにくつい。

ここからこのようにして阿佐ヶ谷まで行くのか。 

まず新宿まで行くバスを探す。

なんといくらでもバスはあるが、肝心の新宿行が見つからない。
なりふり構わず、通りかかった人に聞く。
“すみません、新宿行にバスで行きたいのですが”
若者は快く教えてくれる。

“そのカウンターに行けばいいのですよ”と
カウンターに行き、チケットを買いバスの乗降場所に行く。

バスはすぐ来た。
 
とりつました様な、大都会の人。  でも皆とても親切に教えてくれた。

バスは走り出し、見慣れぬ都会を通りぬける。
新宿に着き、バスを降りる。

しかしここは一体何処だ。

新宿は、又違う顔になっている。 見慣れぬ街並み。
周りを見ると、ファッション雑誌の表紙に、出てくるような若者ばかり。

“俺だって、昔はこの界隈を、同じようにかっこよく歩いていたんだ” 
なんて言ったところで。

しかし何とか阿佐ヶ谷まで帰らなくちゃいけない。
周りを見ても、駅らしきものはない。

また近くの人達に尋ねる。
“あのー  JRは何処でしょう?”

ファッション雑誌の表紙は、丁寧に教えてくれた。

駅を見つけ、大きな荷物を引きずりながら、混んだ電車に乗り込む。

これで今夜の宿泊地、我の実家、阿佐ヶ谷にたどれる。
しかしここは大都会東京。  どこも人であふれている。

急に北国のあの静けさが、心をとおりぬけ始める。

駅のホームに出て電車を待つ。

いつものように東京は、又怒った顔に戻っていくのだろうか。



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