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これが不思議　

2018年01月06日
テーマ：テーマ無し

◇「詐欺に気をつけましょう」
広報車が回っている。
「怪しいと思ったら、すぐ１１０番を」
警視庁から、注意喚起の電話がかかる。
「おれおれ」「振り込め」「母さん助けて」……などの、
多発地帯とされている。
しかし、我が家には、電話がかからない。
世間では、大流行というのに、我が家には、その兆しもない。
世の流れから、取り残されたようで、ちょっとさびしい。

◇ホームに電車が、到着したようだ。
階段の上部から、ざわめきが聞こえ、人が降りて来る。
急げば間に合うかもしれない。
私は、階段を駆け上がり、ドアが閉まる寸前に、車内に入った。
しかし私は、いったい、何を急いだのであろう。
今日はヒマなので、落語でも、聞きに行こうと思っている。
寄席の木戸が開くまで、時間なら、売るほどあったのに……

◇向こうから来る若者が、スマホを操っている。
このままだと、ぶつかりそうだ。
しかし、大丈夫。
直前で、彼は、きっと避ける。
それ見ろ、彼は、さっとステップを踏み、その身を翻した。
上手いもんだ。
私には、とても真似出来ない。

◇アディーレという法律事務所では、過払金の返還請求を、主なる業務にしているらしい。
その支所が、全国に八十いくつもあるそうだ。
そこに弁護士が居て、依頼に応じてくれる。
過払金とは、法定利息を超えて、支払った利息を言うらしい。
金を借りた相手は、サラ金であろう。
この低金利の時代にね……
私は不思議で仕方ない。
年利１０％、１５％もの金を借りる人がいる。
それが膨大な数に上ると見られる。
借金大国ニッポン。
上は国から、下は庶民まで、借金不感症になっている。

◇ 口を開けば、政治への不満を語る人が、少なくない。
居酒屋へ行って、各テーブルの様子を、窺がって見給え。
喧々諤々、政治の現状を罵っている。
一億総評論家の感がある。
しかし、選挙となると、皆さん、途端におとなしくなる。
投票率５０％……
居酒屋で気炎を上げていた、彼らの半分は、家で寝ていたのでは、
あるまいか。

◇富岡八幡宮に寄せられる、正月の賽銭は、一億円になるのだそうだ。
さすがの大社だ。
私もいけない。
近所のお稲荷さんには、十円しか上げないのに、
格式のある、大きな社寺だと、つい、百円を投じてしまう。

◇刀剣とは、飾っておくものだと思っていた。
そうだ、元々は、武器だったんだ……
人を殺すのに、用いたんだ……
ということを、久々に思い出している。

◇妻は先日、銀座を歩いていて、時の人、日馬富士を見かけたそうだ。
一連の騒ぎを何処吹く風、笑顔で店員と、ハグをしていたそうだ。
帽子を被り、髷は隠していたけれど、あの痘痕の顔で、
すぐわかったそうだ。
妻は昔から、目ざとかった。
これまでに……
増田明美、岸部一徳、伊藤蘭、海老一染太郎・染之助、和久井映見、
団しん也、オスギ、松坂桃李、小林かつ代（料理評論家）、山本益博（同）、
小柴昌俊（ノーベル賞受賞者）綾部祐二（お笑いコンビ・ピース）
川澄奈穂美（サッカー選手）武田修宏（同）などを、
都会の雑踏の中から、見出している。
対するに私は、ほとんど、その実績がない。
「あなたの目は、ただ開いているだけ。ものを見てないからよ」
と彼女は言う。
要するに「節穴」だと言っている。
昔、店に、恰幅の良い、やけに態度のでかい客が、買い物に来た。
その時には、わからなかった。
あ、丹波哲郎だ……と気付いたのは、三時間も経ってからであった。

◇女性の佩くスカートの裾に、切れ目がある。
これを、スリットと称するらしい。
後ろ姿のそれが、身体の中心線ではなく、七三にずれている。
私は、彼女が、朝寝坊をし、慌てたのだと思った。
気になるが、注意するわけにも行かない。
今時のファッションには、当人だけの、意外な趣向が、あるかもしれないから。

◇デパートに入り、トイレを借りようとした。
しかし、見当たらない。
これはわかっている。
一階にトイレを置くと、用足しの客ばかり、入り込むからだ。
仕方ない。
私は、二階に上がり、目的を果たした。

◇デパートの一階は、何処もかしこも、化粧品売り場となっている。
この理由を、最近になって知った。
一階には、各所にエントランスがあり、人の出入りの度に、外気が入る。
これが、化粧品の匂いの充満を、防いでいるのだそうだ。
早く言えば、人間換気扇である。

◇ひふみんさん
あなたを見る度、思うのですが、その歯は 何とか、ならんのでしょうか。
今時、腕の良い歯医者は、いくらでも居るでしょうに……
それとも“歯なし”で売れてしまった手前、今さら……なのでしょうか。
そう言えば、裸で売り出した芸人も居ました。
彼もまた、今さら服を着るわけにも、行かないのでしょうね。

◇清酒「獺祭」が、新聞に、全面広告を出した。
「お願いです　高く買わないで下さい」
つまり「定価は安いんです。プレミア付きを、買わないで下さい」
ということだ。
私は、隣が酒屋であるから、何時も定価で買っていた。
確かに美味い酒だ。
人気のゆえに、品薄から、品切れになることもあった。
しかし今は、ほぼ何時でも買える。
過熱人気も、ここへ来て、ようやく沈静したかに思われる。
この時期に、何故、消費者への自重を促すのか……
どうせなら、もっと早く、過熱のピークにこそ、
やるべきではなかったか……
私はそこに、ある種の思惑を感じてしまうのだが……

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