メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

パトラッシュが駆ける!

酔ってのことです 

2018年03月24日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

私は、一日の大半を、自らが席主を務める、
囲碁サロンで過ごしている。
日に三度、時間が来ると、三階に上がり、
妻の用意してくれた飯を食う。
居候のようなものだ。
妻が居なかったら、私は生きて行けない。

寝しなに、一杯やることもある。
ではなかった。
やらない日の方が、少ない。
年に数日しかない。
酒を好きなだけ、飲める内が、花と思っている。

テレビを見ながら、飲食をする。
食品包装材が、ゴミとして出る。
紙屑も出る。
テレビから、少し離れた床に、くずかごが置いてある。
たかだか三メートルほどの、その距離を、
歩いて行くのが面倒くさい。
そのくずかご目がけ、ゴミを投げ込む。
ミカンの皮、なんてこともある。

狙いをつけ、慎重に投げる。
的は大きくない。
見事的中は、三回に一回ほどしかない。
打率三割三分。
しかし、それでも投げる。
その一本のヒットが、気持よいからだ。

妻が居る時には、やらない。
怒られるからだ。
「結局、拾わなければならないでしょ」
と眉を逆立てる。
だから、妻が不在の時にやる。
先に寝てしまった時も、チャンスだ。
心置きなく、放擲にいそしんでいる。

的中しなかったゴミは……
後に一括して拾い、くずかごに収める。
二度手間じゃないの……
妻に言われる。
それでも構わない。
投げ込みが、見事決まった時の快感たるやない。
そのために、後始末をものともせず、せっせと投げている。

 * * *

今年の確定申告は、二月十六日に出した。
私は気が短い。
受付が始まった、その初日に、申告書を出した。

提出用紙には、その前夜に、記入した。
既に準備してあった「控え」から転記する、
それだけのことである。
そんな簡単な作業に、間違いが起きた。

生命保険料控除額欄に、支払額そのものを書いてしまった。
慌てて二本線を引き、上に正しい金額を記した。
となると、控除の合計額も違って来る。
これも二本線を引き、訂正した。

悪いことは、重なるものだ。
配偶者控除を受ける、妻の個人番号を、間違えてしまった。
いわゆる、マイナンバーと言うやつである。
あれがもう、長ったらしい数字の羅列で、しかもあちこちに、
それらしきがある。
つい、間違えてしまった。
これも二本線ということになった。

さながら、つぎはぎだらけの、衣類のようではないか。
みっともない。
そりゃ、強引に提出することは、出来るだろう。
折しも、佐川国税庁長官の、欺瞞に満ちた問題がある。
税務署の受付が、とやかく言ったら、怒鳴り返してやろう。
「あれに比べたら、ましなもんだろ」と。

しかし、それにしても、見苦しい。
私の美学が許さない。
私は十六日の朝早く、自転車を漕いで、税務署へ行った。
用紙置き場から、確定申告の用紙を、
ひったくるようにして持ち帰った。
自宅に戻るや否や、清書を始め、書き終えるや、
すぐさま税務署へと、取って返した。
つまり、午前中、二往復したことになる。
途中で、豆腐屋のSに会うと、何か言われるかもしれない。
私はわざわざ、道を違えて行った。

 * * *

新しいノートパソコンを買った。
目前に迫った、旅行のためである。
新幹線の中において、宿において、ネットに繋げたい、
ワープロで文を綴りたい。
そのためである。
この世には、スマホやタブレットもある。
しかし私は、どうも馴染めない。
私は、キーボードを叩くことが、好きなのだ。
両の手でもって、叩くことにより、文に調子が出ると思っている。

セットアップをしている時であった。
何をとち狂ったか、電源を切ってしまったようだ。
慌ててやり直したが、もう遅い。
パソコンの立ち上げが、上手く行かなくなってしまった。

仕方ない。
初期化して、初めからやり直そう。
しかし、旅行は目前に迫っている。
私は、パソコンの携行を、諦めざるを得なかった。
実にもう、情けない。
これ、誰を恨むでもない。
身から出た、錆なのである。

 * * *

この時も、酒に酔っていた。
晩酌に一杯やり、気が大きくなっていた。
過去に、何台ものパソコンを立ち上げている。
ふん、こんなもの……
という侮りがあった。

税務署も同じくだ。
申告なんぞ、もう何十年もやっている。
この私が、間違えるわけがない。
という自信過剰があった。

酒のせいだ。
酒が私から、緊張感を失わしめている。
侮りや、傲りを生んでいる。

「飲んで、大事なことをやるな」
これを、当面、座右の銘としたい。
酔っての、ゴミの投げ込み、これはまあ、いいだろう。
拾い直して、また捨てるだけ。
税務署やパソコンに比べ、はるかに害がない。



拍手する


コメントをするにはログインが必要です

それを言えば、

パトラッシュさん

みさきさん、
貴女の文だって、快いリズムがありますよ。
短歌をなさっていた、効果だと思います。
(歌は何より、調子を大切しますから)

先日の旅の紀行文は、どうやら書き終えました。
来月号の、私のホームページにUPしたいと思います。
長野に行きました。
と言っても、その長−い県の、南端部ですが。
囲炉裏端で、どぶろくを飲みました。

携行パソコンがないので、記憶を必死に辿りながら、書きました。

2018/03/24 19:58:13

主婦だって、投げたいものね……

パトラッシュさん

SMILEさん、
女性のストーカーなら、大歓迎です。いつでも、お付きまとい下さい。

「少年のようです」は、私にはむしろ、褒め言葉です。
実態は、
「童心未だ抜けきらない、短気者のおじさんが往く」
私の二冊目の本の、帯に書いてある、惹句の通りなのです。(出版社の社長が書きました)
少年まで達しない、悪童だと言うことです。
実態は、これに近いかもしれません。

そうですね、主婦は家庭の規律を守る人、自ら放埓をやるわけには、行きませんものね。
夜更けにひっそり……
それがいいでしょう。

2018/03/24 19:47:55

一本指でも

パトラッシュさん

漫歩さん、
やはり、天下晴れて……の口ですか。
私は、秘書の目を盗むことが、多すぎて、困っております。
その留守を窺うなど、どうしたって、行動が淫靡となりますからね。

一本指打法ですね。
そのスピードの、両手にも負けないくらいの例を、二三知っております。
慣れれば、どちらでも、よろしいのではないでしょうか……

2018/03/24 19:35:57

そうおっしゃるからには

パトラッシュさん

月あかりさん、
さては、経験者ですね。
くずかごは、ある程度、遠くないとつまりませんね。
入って当たり前……では、興趣が半減しますから。

豆腐屋の奴、うるさいのです。
そして、妙に勘がいいのです。
弁解するより、その目に触れない方が、よろしいと思った次第です。

2018/03/24 19:29:45

いいですね

パトラッシュさん

吾喰楽さん、
気兼ねなく、投擲が出来るなんて、実に羨ましい。
そうです、重みのある方が、よろしいのです。
私は、ミカンの皮では、滅多に失敗しません。

そこで、紙くずを、ミカンの皮の中に、包み込んで投げる方法を、開発しました。
今度、機会がありましたら、投擲競争をやりましょう。

2018/03/24 19:25:52

やはり…

みさきさん

>私は、キーボードを叩くことが、好きなのだ。
>両の手でもって、叩くことにより、文に調子が出ると思っている。

やはり、そうでしたか。
拝見しますと、黙読でも耳に心地よいリズムがあり、楽器を奏でるように、指先で文章を奏でていらっしゃるように感じておりました。
最新の旅だよりがアップされたかもしれないパソコン、ご旅行に間に合わないのはとても残念です。
今からでも、何とか…、だめでしょうか?

2018/03/24 14:22:02

少年のような。。

さん

憧れのパトラッシュ様、おはようございます。
入れ込み過ぎて…ストーカーにならないよう、気を付けております。
『怒られるからだ。』『午前中、二往復した』『わざわざ、道を違えて行った。』どこを、どう読んでも。。少年のようです。
「子供だなぁ、、」と突っ込みたくなります。
活き活きとして、惹きつけられ……「だから男の人って、いくつになってもどこか放っておけないような、可愛らしさがあるんだな」と納得してしまいます。
しかしながら…私は、娘達がもし放擲をするような事があれば、やはり「叱る」側にいなければなりません。
よって、彼女達が寝静まった後に、『放擲』が見事に決まった時の快感を味わう事に致します。

2018/03/24 10:03:42

横着の楽しさ

漫歩さん

横着な行為は私の方に軍配が上がるでしょう。

私は気楽な独り者。パトさんは聡明なベテランの秘書さんの目を盗む必要がありあすからね。(笑)


パソコンの失敗は残念ながら私の方が多く、技量の差もかなりありそうです。
未だに中指一本でキーボードを打ち、年中誤打していますから。

2018/03/24 09:59:36

私の美学

月あかりさん

美学へのこだわり、慢心をあおる酒、3割打者・・
その通りです。
投擲はゴミが良いですね。重さ、形、により
飛び方が違うから、手に取った時に計量、投げる時に
距離感を見る、たかがゴミですが、集中しないと
命中しません。ストンと命中した時の快感!分かります。
豆腐屋を避けて廻り道。今は会いたくないんですね(笑)

2018/03/24 09:40:12

快感

吾喰楽さん

私は、二割五分位でしょうか。
命中したときの快感、良く分かります。
ある程度、重さがある方が、命中率が上がりますね。
幸い(?)、怒る人が居ないので、日常的にやっています。

2018/03/24 09:39:18

PR





上部へ