まぬけなご主人様

まぬけな誇り高き男達 5話 

2018年04月12日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

まぬけな誇り高き男達5話



沢山の経験をさせて頂いた



まず普通の民間企業に就職していれば、いや一般人には体験出来ない事ばかり私達は訓練という名目で味わえた…


どれもこれも短文では表す事が出来ない内容の濃いものだが…


官舎の屋上からロープで飛び降りる降下訓練


高所恐怖の私にはこたえた



この細いロープで巨漢の私の体を支えられるのか?



切れたら誰が助けてくれんねん



そんな事を考えてる私の横を助教がどこかで貰ってきた車のシートベルトを身体に巻き付けて、金ビラを付けてロープを通し(その間2.3分)



ちょちょいと



普通に笑顔で屋上から飛び降りた



ちょっと買い物してくるわ〜みたいな軽いタッチで



コイツら化け物か〜



飛び降りながら笑うな〜



どんだけ高いとこ好きやねん



夏だから水泳もさせてもらいました



戦闘服姿で



服が水の抵抗をまともに受けて泳ぎにくいのなんの



立ち泳ぎはブーツが重く足が何度つりそうになりました



水死する原因はこんな風になるからなんだなと思いました



因みに過去に水中格闘訓練で死人も出たとの事でした



格闘技も学びました



私は元々柔道や極真空手を習っており自信はありましたが



全然違いました



目的は相手を殺すという事



しかも音を立てず隠密に



敵の口を手で塞ぎ

助けも求められない

助けてーの声もだせず喉元をナイフでかき切る



惨い訓練ですが



やらねば



やられます



破壊訓練もしました



爆薬を建物の何処に仕掛けどれ位の火薬の料が要るかなど計算し爆破するのです


実際に爆破はしませんでしたが


レンジャーは馬鹿ではなれない事に驚きました難しい計算でした



ヘリコプターは皆さん乗られた事が有りますか



リペリング訓練

航空自衛隊の協力で

輸送用のヘリコプターが



パタパタパタ

爆音と共にプロペラが回る

屈んだ状態でヘリに近づき乗車


ヘリコプターはみるみるうちに空高く浮かび上がるが…



ギャ〜



両サイドの扉が開いてるやないかーい



私と文田さんは開いた扉からヘリコプターの脚に足を掛けて脚だけヘリコプターの外に



もう一つのバディーは反対の扉から下半身が外に



こ…こ…これ外って



足元を見ると

点みたいなビルが

蟻より小さな黒点が繋がって動いてる



どんだけ上空まで上がってんね〜ん



するとヘリコプターが旋回し始めると

私達バディー側が傾き



落ちる



落ちる



身体半分出てるんやで〜落ちるがな〜機長



生きた心地がしませんでした




そして…



ヘリコプターが降下し何十メートルもあるロープを4本扉から地上に放り投げた



降下準備



教官が大声で叫ぶ



ヘリのプロペラの爆音で大声でないと聞こえないのだ



私達は金ビラにロープを通しヘリコプターの脚に両足をかけ背中を向けて身体を外に出した



反対のバディーも同様に4人は降下準備良し



手を上げ教官に合図を送る



降下



号令と共に4人は地上へ



その時



私達バディーの方が反対のバディーの二倍の体格さだった為



ヘリコプターがフラフラ揺れた



うわっ〜落ちんといてや〜



ヘリコプターってこんな軽いモノなのかと初めてしりました





軽量化する為にかなり軽い素材を使用しているらしく



昔、ベトナム戦争で同型のヘリが戦場上空を飛び兵士を輸送していたところ




機長が目的地戦場に到着したので荷台の兵士達に降りろと指示したが返事がない



全員死んでいたと



地上から敵が鉄砲を撃ち弾が貫通して兵士が死んだという位



ボディーは薄いとの事だった









体力調整最大の山場がやって来た…



20キロ武装走



武装3キロタイムレースや10キロ武装走などをクリアした私達28名は…



最後の基本体力訓練へと駒を進めたのだ



鉄パチに銃にブーツに背中にはリュックを背負い演習場を20キロ…



ただ…

ただ…

走るのだ



隊列を組み

掛け声をかけながら

歩調を合わせて

走るのだ

ガサッ

ガサッ



走る度に背中のリュックが踊り肩のリュックのバンドが締め付けられる



夏のカンカン照りの太陽が私達を焦がす

ヘルメットの中が蒸せて、サウナ風呂の様だ…



とめどなく

汗が体中から噴き出す



銃を両手で掴み走る為、腕が振れないので走り辛い…



腕がダルい

腕がダルい



上り坂が続く…

とっいうか坂ばかり

平坦の道を走るより脚の歩幅が狭く歩数が多くなる



一般道路から演習場の坂道へと入る



アスファルトと違い石ころや凸凹が沢山有り走りにくい



私達の前に助教のジープが走っている



ほらほらほら〜



しっかり走らんかい



罵声を浴びせられる



声を出さんかー



助教が掛け声を掛けると私達訓練生も助教と同じ言葉を言う



助教…今日は

訓練生…今日は

助教…20キロ

訓練生…20キロ

助教…走行

訓練生…走行

助教…気持ち

訓練生…気持ち

助教…いいね

訓練生…いいね



気持ちいい事なんかあるか〜い



ツッコミたくなる



昔、コマーシャルで米軍の兵士達が歌を歌うみたいな掛け声をかけて走る場面があったがあれと一緒だ



しかし…

走りながら声を出すと余計にしんどい



しんどくて声が小さければ…

コラッー鼻糞声出さんかー



罵声が助教から飛び交う



ハッハッハッ

息苦しい

30分…

一時間…

ハッハッハッ



ヘルメットの顎ひもが首を締め付ける



ハッハッハッ



だんだん先頭集団

元々隊列を組んで走っていたのだが

遅れる訓練生が出て来たのだ

私も必死で先頭について行く



苦しいハッハッハッ

コラッー遅れるなーはよ走らんかー



遅れる訓練生に助教が機関銃の様に罵声の弾を撃ち込む



遅れた訓練生も死にかけで走るが歩くスピードと変わらない位スローダウン



足を上げろ



足を前に出せ



遅れるな



走れよー



行けーコラッー



怒涛のごとく罵声の嵐



助教が先頭を走る訓練生にUターンを命じて最後尾の遅れた訓練生の所に



そしてまた全員で走るが…



また先ほどの遅れた訓練生が遅れだす



お前のせいでまたUターンしよるぞ他の奴らは



お前1人のせいで



助教の容赦ない攻撃が続いた時だ…

遅れた訓練生が突然立ち止まり




オッエッ〜



オッエッ〜



道端に戻し始めたのだった



直ぐに助教が近づいて訓練生に口を開けろ



すかさず助教の指が口の中へ




ウッオッエー



全部吐き出さんかい



私達はその場でクルクル回り走りながら待つ



歩く程のスピードだから、その訓練生のおかげで休憩が出来た



マジでキツい

ハッハッハッ

全て吐き終わった訓練生に助教は

はよ走らんか



また走る

すると道端に水溜まりが…

全員歩ふく前進



フラフラになりながら水溜まりに腰を落とし水浸しになりながら地をはう



パンツまで

泥水が…

キツい



ホンマキツい



みんな泥塗れで水溜まりを這う…

コラッー



もっと低い姿勢にならんか



鉄砲の弾が当たって死ぬぞー



もう弾に当たって死にたいわ〜



そしたら楽になるわー



心で叫ぶ

もうどうにでもしてくれー



写真はヘリコプターから降下している私達バディーです!



つづく…



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