まぬけなご主人様

まぬけな誇り高き男達 2話 

2018年04月10日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し



まぬけな誇り高き男達2話

各部隊、各中隊から28人のチャレンジャーテスト隊員が集まった…

どいつもこいつも筋肉ムキムキに鍛え上げてきた強者達だった


私も身長が185センチの隊員の中で1番身体の大きなチャレンジャー、ベッドの上にアーノルドシュワルツネガーのポスターを貼り、両サイドのダンベルを寝るまでやり続けたキン肉マン

誰にも絶対負ける気がしない、眼から炎が燃え上がっていました!


人それぞれ理由は様々だったが…

全員の目標は一致していた!!

それはレンジャーバッチを胸に掲げる事


しかし



この28人がレンジャーになれるかどうかは、これから始まる試験に合格するかどうかにかかっていた



鉄ぱち(鉄のヘルメット)戦闘服に半長靴(ブーツ)姿で整列した私達…



まずバディーが決められた



バディーとは相棒の事で、これから先

何時も2人で行動し運命を共にする運命共同体だった…



私のバディーは階級で言えば上官の文田三曹になった…




だがレンジャー訓練中の私達に階級は関係無く全員が訓練生



バディーの条件は体格が同等であるかが基準…



もし負傷しても体格が同じならバディーを背負って逃げられるとの理由だった…



私の体格と文田さんが180センチでしたのでそれが理由で決まった様でした。




地獄の扉が開いた



教官が整列した私達に向かって言い放つ



今からレンジャー試験を行う



助教の指示に従い速やかに実行せよ



大きな声が鳴り響く




私達は何ヶ所かに分かれて反復跳びや短距離走、腕立てに腹筋、懸垂やロープ登りと色々な試験を行った…



皆、この日の為に筋トレを行ってきており楽々とメニューをこなしていった…



そして最大の難関



駐屯地外周の障害タイムレースが始まろうとしていた



山有り谷有りのコース


木で作った巨大跳び箱の障害物や


鉄線の下をかいくぐりほふく前進地帯


砂利道や砂道と難所だらけだ…



私は自信があった



一年前とは見違える程の体力が付いており絶対合格してやると意気込みも大きかった…



第一バディーがスタートラインに立つ



助教の掛け声が



警笛が鳴りスタート



あっ!あっっ!



その時気付いた私



えっ〜銃持ってるやん?



私は教官の言葉を聞き漏らしていたのだった



この障害タイムレースは小銃を持って走る試験だと…



この当時の小銃はまだ重く、現在の銃の様に軽量化されていない時でした



文田まぬバディースタートラインに



助教の掛け声が…


普通で走るん違うの?




ま、ま、マズイ〜焦った…



走るのは自信があったのだが銃を持って練習など一度もしていない



そんな事を考えてる間に



スタート



助教の声が…


銃をお胸辺りに銃口を右手で…

銃の後部を左手で掴み走り出した…



ガサッ

ガサッ



走りにくい〜




腕が振れない



しかも走る度、じわじわ銃の重みが増す様に思えた





鉄ぱちの中が夏の太陽光線をまともに浴びて蒸し風呂状態に…



額から滝の様に流れ落ちる汗


先頭服の上着が汗でビジョビジョ



ハッーハッーハッー



文田さんも私も必死の形相で砂利道を走る…


ガサッ ガサッ



クソっ〜脚が砂利に取られてまともに走れない…


脚が重い



う…う…腕がダルい



銃は肩に担いでも

引きずってもダメ



胸の所で腕で手で持ったままでなければならないのだ…


腕がパンパンに張って来た〜銃を持つ手は汗でお風呂上がりかと思う程だ



ハッハッハッ〜息づかいが荒く呼吸困難になってきた


真夏の太陽は容赦なくフラフラな私達に太陽光線を浴びせかけてくるのだ


ハッハッハッ


山の登り坂にさしかかる


遠く、前に私達の先のバディーが見える



アカン



脚がもつれてきたー



腕が痛い 腕がつるー



必死で駆け上がる山道だが、気持ちとは裏腹に脚の歩幅が小さい



もう汗が身体中から吹き出し戦闘服は洗濯機で水洗いした後の様にビショビショ



く、く、苦しい


マジで? あんだけトレーニングしたのに


こんなに苦しいんか?




ハッハッハッー




やっとの思いで木で作った跳び箱にたどり着いた私達



助走をつけて跳び箱に  ガタッ!



必死にしがみつく



痛 痛い〜



木の角で腕が切れた様な激痛が



うっうっ〜


クソッ〜痛い メチャクチャ痛い


だがそんな事どうでもよい



越えなければ…


早くしないと時間が


跳び箱を這いつくばって必死で超えると



次はほふく前進だ



地べたに寝そべり針金の下をくぐり抜けるのだ…



胸、お腹、下半身

汗でビショ濡れの戦闘服に土が付着して

みるみるうちに泥だらけ

顔もドロドロ



尺取虫の様に地べたをズルズル滑らせながら進むのだ…



小石が身体中に当たり…



血だらけ、傷だらけの身体から悲鳴が…



アカン時間が…



時間がない…



文田さんも私も必死だった



山を転げる様に駆ける


アカン、ホンマに腕が痛い



あれだけ走ってきたのに脚がつる



もう直ぐゴールが



脚がつりそうに、クタクタになりながら文田まぬバディーがゴールした…



倒れ込む様になる身体を必死でこらえた


息が出来ない

身体中血まみれ

腕が痛くて痛くて

強烈だった




私達より先に走っていた訓練生がアスファルトに倒れ大の字に



コラッー



寝ころぶな



止まらず歩かんかー





急激な運動した後に急に止まらず少しづつ身体を休めろという意味なのか…



私も寝転びたい所だったが助教の鬼の形相と罵声でビックリして倒れ込みたい身体を立て直した…



こ、こ、これは想像以上にキツい



次々にゴールするバディー


皆…死人の様な顔にボロボロの体


助教が腕時計を見ながらタイムを紙に記入している


合格してるんやろうか?


気になる



しんどさより痛みよりタイムが気になる私達…


全バディーがゴールし数分後教官から集合の号令が


クタクタな私達がゆっくり歩いて集まると…



コラッー!



鼻糞共!



直ぐに整列せんかっ!



怒涛の罵声が



慌てて皆が小走りで整列


コラッ

鼻糞共



シャキッと整列せんかっ!



右から左から後ろから…

沢山の助教が私達に大声で怒鳴られた



こんな位で…

たいそうにしやがって〜



何がしんどいじゃ〜



ちょっと走った位でギャーギャー言うな


嫌なら帰れ鼻くそどもが


ニコニコ馬鹿にしながら助教達が言った



そして運命の結果が直ぐに言い渡された


第一バディー〇〇と〇〇不合格



ワッハッハッハ



パチパチ



拍手喝采で助教全員が不合格のバディーに喜びを伝える


ムカッ!



落ちた事を喜びあざ笑うとは



第二バディー不合格



ワッハッハッハ



パチパチ



次々不合格になるバディー

そして私達の番が…



文田まぬバディー

不合格



ゲッゲッ



私達もふ…ふ…不合格だった



結果的に合格は3バディーだけで…

ほとんどが不合格だった



教官が…私達に言った


体力不十分!


くそっーあの一年間は何やったんや〜体力不十分やて〜くそっ〜



15分後

再試験を行う



各バディー準備する様に



死にそうや


その時・・・


文田さんがまぬ絶対、次は合格するから死ぬ気で走れと激を飛ばした



文田さん



やったります、身体が潰れてもやったりますと言ってはみたけれど

既に死んでいた私



こんなにキツいとは思わなかった…

あれだけ体力付けたのに



全然通用しない



そして…

文田さんと私が再試験スタートラインに呼ばれた



文田さん

死んでるけどゾンビになって生き返り頑張って走りま〜す



文田さんが遅れたら、まぬゾンビがお尻噛みつきますよ〜



文田さんが笑った

苦しい



苦しいけど笑いは気持ちの楽さと疲れを和らげてくれるモノなんだなーとその時思った



スタート



走った…

走った…

ドロドロの汚い身体

サンサンと真夏の太陽が私達を応援する太陽光線を浴びせてくれると思ってはみたが



いらんわ〜い



そんな足引っ張る応援



ツッコミたい気持ちはあったが



いらん体力を使いたくない



ヨボヨボにフラフラになりながら2人は走った…

腕の感覚や脚の感覚が無くなる

ゴールラインだけを目指し走る

ハッハッハッ

鉄パチを止める紐が首に食い込み

息が出来ない

でも…走った

ゴール



文田さんも私も酸欠状態

話せないし息をするのも辛い

他のバディー達も次々ゴール…

皆がゾンビの集団だった…

そして運命の結果発表が…

ゾンビが死にかけで整列している

教官が再試験全員 合格



しかし…

ゾンビ達は喜ぶ元気が残ってなかった



助教が悔しいそうに

鼻糞共



クソッ合格しやがって



負け犬は早よ尻尾巻いて帰れ



捨て台詞を吐いて去って行った


これが、こんなしんどいのがスタートラインに立つ前の訓練なんて

皆、言葉を失った

呆然と立ち尽くす28名でした。






つづく…



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ミルクteaさん

まぬけなご主人様さん


こんばんは〜ちょっと仕事サボってコメント書いてます

良かった〜

長文なので、おまけに笑いも無しのブログですのでどうかな〜と思っていましつが

続きが気になる賛美を頂け、最後までアップしようと思いました〜

何時もミルクteaさん読んで頂きありがとうございます。

2018/04/10 21:14:01

続きが、、

さん

とても、気になります。笑

2018/04/10 20:37:38

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