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青いエアメール
恋多き女(ひと)
2015年08月03日
テーマ:沢の蛍
ものおもへば 沢の蛍も わが身より
あくがれいづる 魂たまかとぞみる
和泉式部
ある佇まいの美しい方のメールから思い起こした綴りです。
二人のプリンスと浮名を流した彼女の、晩年の歌です。
娘に先立たれ、夫の心を取り戻したいという女の切なさに溢れています。
夫は藤原保昌、宇治拾遺物語の「保昌と袴垂(はかまだれ)」には如何に優雅な宮人であったか、月夜に笛を吹きながら歩いていると背後に迫る盗人の気配。
それにも全く動じることなく多くの品物を与えて盗人を改心させる下りは ホンマカイナァ・・・(笑)
娘とは小式部の内侍で
大江山 いくのの道の遠ければ
まだ文も見ず 天の橋立
外出中の母に代って 見事に詠みきったエピソードは高校古文で学んだ方も多いでしょう。
「ものおもへば」の歌に惹かれた私は数年前の夏、京都小旅行で鞍馬線に乗り、貴船口下車 徒歩30分ほど山道を登り、清流の快い空気と木立に包まれた貴船神社に詣でたのでした。
この神社は縁結びを叶えるとされているようですが(お断りしておきますが縁結びに行ったのではありません)、妻子ある男性との駆け落ちを約束して裏切られた女性が、その男ではなく妻の不幸を祈ったというエピソードもあるとか・・・。
それにしても昔の男女は恋歌を交わし合っていた。
今はメールだのラインだのと味気ないこと。
その昔、秋の日に和紙に筆で恋文をしたため(いつも手紙はどんな内容であれ筆書きしています)
庭の紅葉のひと葉を添えて彼に渡したらとても感動されて・・・
ふと、あの手紙はその後どうなっているのかしら、と想いを馳せます。
一定の距離間、男女の恋の必須条件かも。
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