つれづれに

若き旅人 1 

2016年11月28日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

北海道の旅日記が終わったので
若い頃の旅の記録です。私のブログのバックナンバーを少し修正して。すみません。

私が24歳の時といえばもう44年も前。私は当時オーストラリア南部の都市、メルボルンに住んでいた。その時のキャンピングバスツアーの話。
メルボルンから大陸北部へ2週間の長旅だ。
日本人の客はもちろん私1人だけ。オーストラリア人が大半で、他にはイタリア・アメリカ・カナダ人等のほかに、北欧から来た若くて可愛い女の子(歳は私と同い年)もいた。老若男女入り乱れてのメンバーが同じバスで2週間旅をする。季節は冬だったので南のメルボルンは寒い。バスのタイヤのそばには、ノラ猫?がうずくまって寒さに耐えていた。ここは南半球なので北へ進むにつれて暑くなり、衣服を1枚また1枚と脱いでゆく。ついにTシャツ1枚になったが、湿度が低いので耐えられない暑さではなかった。バスにはエアコンやトイレなどなく、用を足す時は外へ。バスの右側が男、左が女性といった具合だ。昼は男女の添乗員2名がサンドイッチを作り、夜は同じく簡単な夕食を作る。寝る時はバスの屋根に積んだ毛布とマットレスをおろし、野宿となる。砂漠地帯なので雨の心配は無く、テントはこの旅では不要だ。
ある時バスのエンジントラブルで予定が大幅に遅れ、修理の後夜8時まで走り通しとなった。運転手は一人だけで、交代の者などいない。本当にタフでないと務まらない。暗くなると客は皆疲れて口を開く者はおらず、目を閉じて走るバスに揺られるだけだった。
そこで私は、歌を歌って皆の心を和ませることにした。
マイクを使い、懐かしの映画音楽のテーマ曲を20曲ほどハミングで歌った。曲は「日曜はダメよ・ある愛の詩・ムーンリバー・シャレード・大脱走マーチ・エデンの東・南太平洋・ゴッドファーザー等々・・」
皆が懐かしい映画音楽の数々を私のハミングで聞き、そして自身でも口ずさんで、しばらくの間疲れを忘れたようだった。私には相当数の映画音楽がインプットされていたので、いくらでも歌えたのである。「こんな若い日本人が、よくこれだけ多くの洋画のテーマ曲を知っているものだと皆が感じたかも知れない。皆の笑みがそれを表していた。この私のサービスが、2日後に「予期せぬ素晴らしい出来事」を招くことになった。そしてその日を境に、私は<グッド・ジャパニーズボーイ>として、バスの中で皆の人気者になっていた。
※写真?バスの客 右側中段が私



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