goofpapaブログ

忘れられない歌10 

2017年03月08日 ナビトモブログ記事
テーマ:忘れらない歌の歌詞

水原 弘
「黄昏のビギン」
 
雨に濡れてた たそがれの街
あなたと逢った 初めての夜
ふたりの肩に 銀色の雨
あなたの唇 濡れていたっけ
傘もささずに僕達は 
歩き続けた雨の中
あのネオンが ぼやけてた
雨がやんでたたそがれの街 
あなたの瞳 うつる星影

昭和の歌手、水原 弘のこの歌は、あの永 六輔 中村 八大の名コンビによってつくられた歌。
ラテン系のリズム、ビギンに乗って歌われている。ここが肝要。

高度成長期の会社帰り、なかなか時間が合わないけれど、月に何度かともに時間をすごした二人。
と言っても、若い彼らはたそがれの街を歩くだけである。
たそがれ時は、街の景色を幾つにも変えた。
雨の、雨上がりの、晴れた、それぞれの黄昏の街の景色は二人だけの秘密の宝物である。
そしてある日、二人だけの宝物の景色の中で、誰からも見られぬように
並木の陰で初めてのキスを交わす。
そんなラブソングである。

これがあの水原弘によって歌われると絶品と化す。
あのちょっとかすれたセクシーな声で甘くささやくように歌うと、なんとも言えない男の色気をかもし出す。
男でさえひと聴き惚れしてしまう。いわんや女性においておや。

この歌は、高度成長期の夜の社交場、キャバレーやナイトクラブの開店前の雰囲気。バンドマン達が電子楽器ではない、生身の人間の息づかいによって奏でた音楽を開始し、客待ちのホステスさんたちが数人ベアになってホールに進み出て、軽やかに身体をゆする程度のステップを踏んで踊る、あのウキウキした感じによく似合う。
夜の社交場のお水で磨き抜かれた歌手の歌、って感じ。

だから、歌の内容を訴えんとする他の歌手の歌い方より、このビギンのリズムに乗って、ひととき甘く酔わせてくれる水原弘の歌が断然いいのです。

「イヨッ、ヒロシ!」



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